2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の段階的連続培養による農水産有機廃棄物の脱重金属と資源化
Project/Area Number |
17580285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊池 愼太郎 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70148691)
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Keywords | カドミウム汚染農水産廃棄物 / 重金属結合タンパク質 / タンパク質分解微生物 / 硫酸還元菌 / 段階的連続培養 / 硫化カドミウム沈殿 |
Research Abstract |
1.水産業において非可食部として廃棄されるホタテガイ中腸腺やイカ内臓部などは、多量のカドミウムを含有するため飼・肥料への転換が困難である状況を踏まえ、これらの組織からの微生物的カドミウム除去について検討した。廃棄組織抽出液を栄養源として土壌微生物群を培養し、次いでこれに硫酸還元菌を接種して培養したところ、抽出液中に溶存するカドミウムは硫化物として沈殿した。組織中ではタンパク質因子と結合して存在するカドミウムが土壌微生物群の分泌する酵素によって遊離状態となり、これと硫酸還元菌が生成する硫化水素とによって硫化カドミウム沈殿が形成され、結果的にこの重金属が除去される機構が推定された。 2.一部地域で収穫される水稲には5ppm以上のカドミウムが含有されるため食用には不適であり、焼却処分されている現状を踏まえ、上記1.と同様に微生物を利用してカドミウムを除去することを試みた。すなわちカドミウム汚染米を主要な炭素源として土壌微生物を培養し、次いでこれに硫酸還元菌を接種して培養したところ、抽出液中に溶存するカドミウムは硫化物として沈殿した。汚染米が土壌微生物群の分泌する酵素によって糖化され、次いでタンパク質因子と結合して存在するカドミウムが土壌微生物群の分泌する酵素によって遊離状態となった後、硫酸還元菌が生成する硫化水素とによって硫化カドミウム沈殿が形成され、結果的にこの重金属が除去される機構が推定された。
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