2007 Fiscal Year Annual Research Report
メゾ環境勘定とミクロ環境会計による農林水産業の循環型地域経営の評価に関する研究
Project/Area Number |
17580286
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
山本 充 Otaru University of Commerce, 商学研究科, 教授 (30271737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 克彦 北海道大学, 農学研究院, 教授 (70091551)
林 岳 農林水産省, 農林水産政策研究所, 研究員 (60356300)
高橋 義文 北星学園大学, 経済学部, 講師 (60392578)
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Keywords | 環境勘定 / 環境会計 / エコロジカル・フットプリント / バイオ燃料 / ライフサイクルアセスメント |
Research Abstract |
マクロ・メゾ環境勘定およびミクロ環境会計は、その集計単位(会計単位)の違いはあるが、その目的はステークホルダーに集計範囲の経済活動と環境の相互関係を会計情報として明示することにある。これまで、環境勘定・環境会計は、経済活動量を貨幣単位で示し、経済活動から生じる環境負荷を物量単位で計測することで、単位経済活動量(生産)当たりの環境負荷(あるいはその逆数)や、経済活動量の成長(増加)と環境負荷の削減(減少)デカップリング等により経済活動の環境効率性を評価し、ステークホルダーに効率性の改善必要性を訴えてきた。本研究では、北海道を対象地域としてこうした環境効率性の実現を経済全体および地域農林業の面から評価してきたが、その結果としては、全体的には資源循環を向上させ持続可能な方向へと向かっていることが明示された。しかし、一方では、そのために必要としたエネルギーなどが増大する傾向が示され、環境効率性の改善必要性は未だ高いことが判明した。さらに、このエネルギー問題に対応して、近年、バイオマス資源のエネルギー利用が注目されているが、本研究で分析事例として取り上げた規格外小麦利用のバイオエタノールでは、環境負荷削減には燃料作物の栽培形態や生産プロセスから発生する副産物などの有効利用を行う必要があること等がLCA分析の援用により明らかとなった。 また、本研究では上記の分析にエコロジカル・フットプリントを利用したが、地域の環境収容力を超えた資源利用状況も明らかになった。このことを受けて、マクロ・メゾ環境勘定では、経済の規模の限界を明示し、その制約下における経済運営の必要性をより明示的な情報として提供するフレームワークが必要であるとの認識に至った。
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Research Products
(6 results)