2006 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気発酵による木質系バイオマスからのメタンの生産とその生成機構
Project/Area Number |
17580289
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
桑原 正章 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (40035978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 繁 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (30279509)
栗本 康司 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 准教授 (60279510)
|
Keywords | メタン発酵 / 嫌気発酵 / セルロース / 前処理 / 微粉砕 / 白色腐朽菌 / 木質バイオマス / ブナ |
Research Abstract |
試料に対する前処理の効果を処理材のセルラーゼ(メイセラーゼ)による糖化率とメタン発酵から評価した。先ず、CMT社製粉砕器を用いてブナ材に対する微粉砕処理の効果を検討したところ、ホロセルロースあたりの糖化率は未処理では4.9%であるのに対し、処理時間を5分、20分、1時間および2時間とした場合、それぞれ24.9、47.6、74.6および88.6%に達した。一方、スギ材に対してもほぼ同様の効果が得られた。ついで、微粉砕処理材に対してメタン発酵を行った。5gの20分処理ブナ材からは20日間および60日間の発酵によりそれぞれ900mlおよび1,500mlのガスが得られた。しかし、スギ材からのガス発生は低く、1時間処理においても60日間の発酵で600mlのガス発生に留まった。 ついで、リグニン分解能の高い10株の白色腐朽菌によるブナ材の処理を試みた。Coriolus consors、Coriolus hirsutusおよびCyathus stercoreusによる処理は高い酵素糖化率を与え、1、2および4ヶ月処理によりC. consorsではそれぞれ25.0、35.7および49.7%、C. hirsutusでは26.8、51.9および58.3%、C. stercoreusでは27.4、30.9および52.8%の糖化率であった。また、これら3種の担子菌で処理した試料2.5gをメタン発酵に供試したところ、12日間で650、470および410mlのガス発生がみられた。なお発生ガスのメタン含量は約45〜55%であった。このことから、担子菌処理の有効性が示された。 一方、微生物種の同定に用いられるBIOLOGシステムを用いて、二次消化汚泥をセルロース訓養の有無で比較し、微生物相の違いを検討した。その結果、セルロース訓養した汚泥において資化できる炭素源の種類が減少したことから、セルロースで訓養することにより微生物相が変化することが示唆された。
|