2006 Fiscal Year Annual Research Report
エストロジェン類の塩素処理副生成物のエストロジェン作用に関する研究
Project/Area Number |
17580290
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
久留戸 涼子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (50205217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 良保 静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (60046282)
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Keywords | 環境汚染 / 環境ホルモン / 塩素処理 / エストロジェン / エストラジオール / エストロン |
Research Abstract |
1.エストロジェン類の塩素処理副生成物の合成及び精製 昨年度確立した塩素処理による合成法により、エストラジオール(E2)、エストロン(E1)の塩素置換体を単離精製した。 2.下水処理場放流水中の塩素置換エストロンの検出 下水処理場塩素処理により、実際に塩素置換されたエストロジェンが環境中に放出されているか検出試験を行った。その結果、下水処理場放流水中に、E1の塩素置換体である2-ClE1、4-ClE1、2,4-diClE1が検出確認された。 3.遺伝子発現レベルの解析 昨年度、E2、E1の塩素処理副生成物である4-Cl、2-Cl、2,4-diCl体について、エストロジェン活性を測定し、4-Cl体は元の物質と同等の活性があり、2-Cl、2,4-diCl体の順に活性が低下し、E1由来の10-Cl-3,17-dione(10-ClE)は、E1と同等に活性があったことを報告した。そこで、これらについて、(1)E2により発現が制御されることが知られている遺伝子pS2、PgR、(2)AhRを介して発現制御を受けるとされるCyp1A1、の実際の細胞内での発現レベルを、Real-time PCRにより解析した。 PgR:E2では、10^<-11>から5倍ほどに高まった。4-ClE2では同濃度では、2倍ほどであったが、濃度が高くなるにつれ、さらに高まった。2,4-diClE2では、10^<-9>でも発現レベルの変化はわずかであった。E1は、10^<-10>から発現レベルが高まったが、4ClE1では、10^<-9>から高まった。10-ClEは10^<-10>ではE1より高まり方が弱かった。2,4-diClE1では、10^<-8>で高まった。ps2でも同様の傾向が見られた。 Cyp1A1:上記2遺伝子とは逆に発現量が低下する傾向にあった。
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