2008 Fiscal Year Annual Research Report
採草地の人為的管理が草原性希少チョウ類の衰亡におよぼす影響の解明
Project/Area Number |
17580293
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
井上 大成 Forestry and Forest Products Research Institute, 多摩森林科学園, チーム長 (20353592)
|
Keywords | チョウ / 採草地 / 人為的管理 / 希少種 / 草刈り |
Research Abstract |
1.北茨城試験地で、草刈が放棄されて概ね10年経過してササが優占した「長期放棄エリア」と、放棄後5年以下でススキが優占した「短期放棄エリア」のそれぞれに設定した4種類の実験区((1)冬刈り区、(2)夏刈り区、(3)夏・冬刈り区、(4)放置区)において、2008年7月下旬と11月下旬に草刈りを実施した。これらの各区において、4月〜10月まで月2回、全チョウ類の個体数調査を行った。当該試験地全体について、1998年以来行われているチョウ類のトランセクト調査を継続した。 2.調査地を含む茨城県全域おける希少チョウ類の分布を把握するために、過去の文献資料を収集した。 3.これまでに蓄積されている調査地のチョウ類標本の整理を行った。 4.全年度の研究結果をとりまとめた。その結果、レッドデータリストに記載されている草原性の希少種でも、草刈りによって個体数が増加する種と増加しないあるいは減少する種が存在することが明らかになった。草原性希少チョウ類を保全するために草刈りを行うことは重要であるが、画一的な管理では多様性は保全できないと考えられる。
|