2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラオスの水田における生態系変化の指標となる藻類相の特定
Project/Area Number |
17580294
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
藤田 裕子 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 特別研究員 (00324707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 泰介 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸員 (60344347)
間藤 徹 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50157393)
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Keywords | ラオス / 水田 / 生態系 / 変化 / 指標 / 藻類 / 珪藻 / アジア |
Research Abstract |
本研究の目的は、伝統的な農業と新しい農業技術導入が混在するラオスの水田において、人間活動の影響によって起こる水田生態系の「変化」の指標となる藻類相の特徴を明らかにすることである。以下のような成果が得られ、学会にも報告した。 1.ラオス北部の調査村では、栽培品種、肥料の種類、裏作の有無、水源ならびに水源からの距離など条件の異なる複数の水田地区があり、本年度も村人から聞き取り調査をしながら、調査対象水田を選定し、土壌ならびに水の採取を行った。 本年度は、特に、雨水を主な水源とする天水田と、川から灌概水路によって水を確保している灌漑水田を対象に行った。また、本年度は、昨年度の調査で環境指標として有効であると考えられた珪藻群集を中心に分析を進めた。 2.水質ならびに土壌の分析結果から、水田ごとにばらつきは認められたが、天水田と灌漑水田で顕著な違いはなかった。 3.珪藻は水田土壌を酸処理して珪藻殻の形態を顕微鏡観察して同定した。珪藻群集は天水田と灌漑水田では大きく異なっていた。灌漑水田では、Caloneis minutaやPlaconeis undulata、Sellaphora auldreelieが高い割合を占めたが、水田ごとに種組成の違いが大きく、たん水時には多様な珪藻種が観察された。優占種をはじめとして多くが水域で見られる珪藻種であった。乾燥時にAchnanthidium minutissmumの割合が増える傾向が見られた。 天水田では、土壌に多いことが知られている種が優占していた。乾燥状態の時にはDiadesmis contentaが非常に高い割合を占め、冠水状態の時にはLuticola aequatorialisやPinnularia obscureの割合が高くなる傾向が見られた。
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Research Products
(2 results)