2006 Fiscal Year Annual Research Report
トウモロコシの花成制御のメカニズム、およびそれに関わるシグナルの解析
Project/Area Number |
17580297
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木崎 暁子 静岡大学, 理学部, 助教授 (40397360)
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Keywords | 植物 / 分化・発生 / 花成制御 / トウモロコシ / 転写制御 |
Research Abstract |
本研究は、トウモロコシの花成を制御するINDETERMZNATE1(ID1)遺伝子が、どのように花成を制御するかを分子レベルで明らかにするために、 1)分子生物学的な実験が容易なモデル植物であるシロイヌナズナやイネを用いて、ID1のファミリー遺伝子の機能を明らかにする、 2)ID1遺伝子は転写因子をコードしていることから、その転写活性機能を明らかにする、 3)1)、2)、で得られた結果およびID1タンパクの結合配列をもとに、ID1遺伝子の標的遺伝子を明らかにする、ことを目的にしている。 1)について、IDファミリーのジェノミクスについて論文にまとめた(BMC Genomics)。またシロイヌナズナのいくつかのIDファミリー遺伝子を過剰発現したシロイヌナズナを作出し、表現型の解析を行った。その結果、およびそれらの遺伝子欠損株(T-DNAタグライン)の解析により、いくつかの興味深い機能をもつ遺伝子があることが明らかになった。 イネについては、ID1と最も相同性の高いOsID遺伝子について解析を行った。この結果、RNAiにより発現を抑制したイネの花成が遅延することが明らかになった。一方、過剰発現体は、花芽形成が十分に行われず、不稔になる傾向がみられた。これらの結果は、イネのOsID遺伝子がID1と同じ機能の持つことを示唆しており、今後イネを用いた研究によりID1の下流遺伝子の同定が可能になると考えられる。 2)について、酵母を用いたID1の転写活性解析により、完全長ID1は転写抑制に働く可能性が示唆された。さらに植物細胞を用いた転写活性解析においても、酵母を用いた場合と同様の結果が得られた。 3)については、今後1,2の解析から得られる結果、およびゲノム・データベース、マイクロアレイ・データベースなどを利用して、標的となる候補遺伝子を絞り込む予定である。
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