2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン産生調節活性を有する抗原性糖鎖を利用した糖鎖薬剤の開発
Project/Area Number |
17580300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 吉伸 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70195387)
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Keywords | 花粉アレルゲン / 抗原性糖鎖 / 植物糖蛋白質 / Lewis aエピトープ / ヒノキ花粉アレルゲン / スギ花粉アレルゲン |
Research Abstract |
申請者らは花粉アレルゲン等の植物糖蛋白質に結合する抗原性糖鎖が,T細胞の分化・生育を抑制することやTh2細胞からのIL4産生を抑制することを見出し,これら植物糖鎖がアレルギー疾患の有効な治療薬になる可能性を示している。そこで,本研究課題では,ヒト細胞性免疫系に対してより高い薬理活性を有するオリゴ糖鎖を,植物糖タンパク質あるいは細胞壁成分から網羅的に検索し,構造・機能相関を明らかにすることを目的している。平成17年度においては,スギ花粉アレルギーに次いで日本で深刻化しているヒノキ花粉アレルギーに注目して,ヒノキ花粉アレルゲン(Cha o 1)を精製後,Cha o 1に結合する糖鎖について構造解析を行った。その結果,Cha o 1にはスゴ花粉アレルゲン(Cry j 1)同様にキシロース/フコース含有の抗原性糖鎖(GlcNAc2Man3Xyl1Fuc1 GlcNAc2)が主要構造として結合していることが明らかとなり,植物アレルゲンにおける抗原性糖鎖存在の一般性が確認された。しかしながら,Cry j 1に存在していたルイスaエピトープ(Lewis a)を有する糖鎖は,Chao 1には存在せず,それに代わってハイマンノース型糖鎖が微量結合することが明らかとなった。従って,Lewis a部分は,アレルギー疾患発症には関与しないことが示唆された。一方,Lewis a含有糖鎖がイネ培養細胞中の糖蛋白質に存在することを見出し,その化学構造を決定した。このことにより,Lewis a含有抗原性糖鎖の細胞性免疫調節活性を測定できる試料量の調整糸を確立することができた。
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