2005 Fiscal Year Annual Research Report
実用的な環境調和型反応の開発を目指した高効率的金属カルベノイド反応の新展開
Project/Area Number |
17590005
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
矢倉 隆之 富山大学, 薬学部, 助教授 (70220126)
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Keywords | オキソニウムイリド形成 / [2,3]シグマトロピー転位 / C-Hアミノ化 / laulimalide / conagenin / 抗腫瘍活性 / 免疫調節薬 |
Research Abstract |
ジアゾケトン類の新規触媒的イリド形成-転位反応の開発とその応用:抗腫瘍活性(-)-laulimalideのC5-C9ピラン環の立体選択的合成 (5S,7R)-5-アリルオキシ-1-ジアゾ-8-(p-メトキシベンジルオキシ)-7-メチル-2-オクタノンを触媒量のCu(tfacac)_2を反応させるとオキソニウムイリド形成続く[2,3]シグマトロピー転位反応が進行するが,CH_2Cl_2中環流すると,高収率だが低い立体選択性で,一方THF中環流すると,低収率だが高い立体選択性であることが分かった。そこで,THF-CH_2Cl_2(4:1)混合溶媒中環流すると,高収率(82%),高立体選択的(97:3)に(2R,6S)-2-アリル-6-[(2R)-3-(p-メトキシベンジルオキシ)-2-メチルプロピル]-3-ジヒドロピラノンが得られた。このものをカルボニル基の保護及び末端オレフィンの酸化的開裂を含む8工程を経て(2R,6S)-2-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-6-[(2R)-3-(p-メトキシベンジルオキシ)-2-メチルプロピル]テトラヒドロピラン-3-オンへと導いた。3位ケトンを速度論的にエノール化させた後,対応するエノールトリフラートへと変換した。このトリフラートをStille条件で還元して抗腫瘍活性(-)-laulimalideのC3-C12フラグメントを得た。また,Pd触媒を用いたクロスカップリング反応によりlaulimalideの6位アルキル誘導体を合成した。 カーバメート類のC-Hアミノ化反応を利用する免疫調節薬(+)-conageninの合成研究 (R)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチルを対応するカルバメートに変換し,これを触媒量のRh_2(OAc)_4とPhI(OAc)_2およびMgOと反応させると,Rh(II)触媒C-Hアミノ化がおこり(S)-4-メチル-2-オキソオキサゾリジン-4-カルボン酸メチルが得られた。オキサゾリジノン環の開裂にN-Boc-α-メチルセリンメチルエステルに導いた。一方,(S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチルから2度のZn(BH_4)_2を用いる立体選択的還元により(2R,3S,4R)-2,4-ジアセトキシ-3メチルペンタン酸を合成した。最後にα-メチルセリン部とペンタン酸部のアミド化により(+)-conageninを合成した。
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Research Products
(2 results)