2006 Fiscal Year Annual Research Report
実用的な環境調和型反応の開発を目指した高効率的金属カルベノイド反応の新展開
Project/Area Number |
17590005
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
矢倉 隆之 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (70220126)
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Keywords | Rh(II)触媒C-Hアミノ化 / カルバメート / conagenin / α-メチルアミノ酸 / pachastrissamine / 免疫調節薬 / スフィンゴシン関連物質 |
Research Abstract |
金属カルベノイドの反応をさらに金属ニトレノイドへ展開した。 カルバメート類のC-Hアミノ化反応を利用する免疫調節薬(+)-conageninの合成研究 (R)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチルを対応するカルバメートに変換し,これを触媒量のRh_2(OAc)_4とPhI(OAc)_2およびMgOと反応させると,Rh(II)触媒C-Hアミノ化がおこり(S)-4-メチル-2-オキソオキサゾリジン-4-カルボン酸メチルが得られた。オキサゾリジノン環を開裂してN-Boc-α-メチルセリンメチルエステルに導いた。一方,(S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチルから2度の立体選択的Zn(BH_4)_2還元を鍵反応として(2R,3S,4R)-2,4-ジアセトキシ-3-メチルペンタン酸を合成した。最後に合成したα-メチルセリンとペンタン酸のアミド化により(+)-conageninを合成した。さらに,合成中間体をもちいて,メチル基の一つ少ない類縁体を2種合成した。 カルバメート類のC-Hアミノ化反応を利用するα-メチルアミノ酸類の簡便合成 (R)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチル由来のカルバメートのRh(II)触媒C-Hアミノ化は反応効率が低く,一般合成法としての有効性にやや難点があった。そこで,エステル基を還元した3-シリルオキシ-2-メチルプロピルカルバメートを用いると,反応性が飛躍的に向上し,対応するオキサゾリジノンが高収率で得られた。得られたオキサゾリジノンは容易に種々のα-メチルセリン類の有用な合成中間体である(R)-および(S)-2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールモノエーテルに変換された。 カルバメート類のC-Hアミノ化反応を利用するスフィンゴシン関連物質(+)-pachastrissamineの不斉合成研究 文献既知の(E)-5-(ρ-メトキシベンジルオキシ)-2-ペンテン酸メチルを出発物質とし,不斉ジヒドロキシ化,続く化学変換により,(2S,3S)-3-ヒドロキシ-2-テトラデシル-2,3,4,5-テトラヒドロフランを不斉合成し,そのカルバメートのRh(II)触媒C-Hアミノ化を検討したところ,首尾良く対応するオキサゾリジノンが得られた。このものをアルカリ加水分解して(+)-pachastrissamineを得,最初の不斉合成を達成した。
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Research Products
(2 results)