2005 Fiscal Year Annual Research Report
単純複素五員環を利用した高度不斉合成プロセスの開発
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17590010
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松永 浩文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10274713)
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Keywords | 屋根付き / 不斉合成 / 1,2-ジアミン / 不斉アルキル化 / 水素移動型不斉還元反応 / イミノチオエーテル / 不斉Diels-Alder反応 / 2-チアゾリン |
Research Abstract |
本研究では、単純複素五員環化合物を反応素子として利用した、多官能性生理活性化合物群のキラル合成や不斉合成上重要な効率不斉空間の構築など、高度の反応性制御を指向した研究を展開することを目的としている。 今年度においては、その基盤として、複素五員環と環状ジエン類との環化付加により容易に得られる三環性"屋根付き"人工不斉源を利用した触媒的高度不斉合成プロセスの探索を鋭意検討し、以下のような成果を得た: (1)アリルアセテートの触媒的不斉アルキル化:三環性"屋根付き"2-チアゾリジノン体より単工程で調製可能な"屋根付き"2-イミノチオエーテル体が不斉配位子として、パラジウムを利用したアリルアセテートの触媒的不斉アルキル化反応において有効に機能し、高い反応活性及びエナンチオ選択性で目的物を与える事を見出した。また、本反応においては塩基及び溶媒によってその反応性が大きく変化することも併せて明らかにした。 (2)不斉Diels-Alder反応:先述の"屋根付き"2-チアゾリジノン体より誘導合成した2-チアゾリン系二座配位子は、ルイス酸触媒不斉Diels-Alder反応における不斉配位子として、有効に機能することを見出した。また、本配位子は対応する2-オキサゾリン類似体に比しても格段に高い立体選択性を示し、本配位子の優位性を示した。 (2)水素移動型不斉還元反応:三環性"屋根付き"2-イミダゾリジノン体の開環体であるN-トシル-"屋根付き"cis型ジアミン体を不斉配位子としたRu(II)錯体は、ギ酸塩存在下アリールケトン類を高エナンチオ選択的に効率良く還元することを見出した。本触媒は既出の野依型Ru錯体よりも高活性であるとともに、立体障害の大きいアリールケトン類においては活性・エナンチオ選択性ともに凌駕した。
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Research Products
(5 results)