2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗ウイルス性抗生物質ファッティビラシンの全合成と構造活性相関の解明
Project/Area Number |
17590011
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
梶 英輔 北里大学, 薬学部, 教授 (60050598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢後 和夫 北里大学, 薬学部, 教授 (10276157)
西野 貴司 北里大学, 薬学部, 講師 (50180625)
尾鳥 勝也 北里大学, 薬学部, 助手 (00327446)
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Keywords | 抗ウイルス薬 / 抗生物質 / ファッティビラシン / 糖脂肪酸 / 環状ジエステル / グルコース / グリコシル化 / L-リンゴ酸 |
Research Abstract |
抗ウイルス性抗生物質ファッティビラシン(FVと略す)は、新規な糖脂肪酸ラクトン構造を有し、新たな抗ウイルス薬としての開発が期待されている。しかし、発酵法での単離精製が困難であり、また、脂肪酸部分の不斉炭素原子の絶対配置は未決定である。本研究では、FVの全合成による絶対構造の決定と、構造活性相関を解明する。 平成17年度実績で報告したFVの構築プロック(グルコシル酪酸誘導体)は収率が低いため(20〜30%)、実用には至らなかった。そこで新たに適切なグリコシル供与体と受容体を設計し、それらのグリコシル化反応を試みた。先ず、L-リンゴ酸のカルボキシ基をエステル化したL-リンゴ酸ジエチルエステルの一方のエステルを選択的に還元し、一級ヒドロキシ基をTBS基で保護した化合物、ethyl(3S)-4-(t-butyldimethylsililoxy)-3-hydroxybutanoate(1)を受容体とし、α-D-glucopyranosyl bromide(2)を供与体としてグリコシル化の反応条件を検討した。その結果、FVの全合成にあたり必須な構築ブロックであるethyl(3S)-3-O-(2,3,4,6-tetra-O-acetyl-β-D-glucopyranosyl)butanoate(3)を得ることが出来た[Ag_2CO_3,I_2/(CH_2Cl)_2/r.t.,22h,収率64%]。次に、グリコシド(3)のアセチル基を除去し、6位にトリチル基を導入することで6-O-トリチル体(4)を収率78%で得ることが出来た。さらに、4のO-ベンジル化を経て脱トリチル化により6-OH体(5)を調製中である。また、4の加水分解により遊離カルボン酸(6)を得るための反応条件を検討している。5と6はFVの基本骨格である環状ジエステルを合成するための前駆体である。
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