2005 Fiscal Year Annual Research Report
2,15位同時修飾seco-ステロイド骨格を有す核内受容体モジュレーターの開発
Project/Area Number |
17590012
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
橘高 敦史 帝京大学, 薬学部, 教授 (00214833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 望 帝京大学, 薬学部, 講師 (80349258)
本澤 忍 帝京大学, 薬学部, 助手 (90311547)
荒井 緑 帝京大学, 薬学部, 助手 (40373261)
杉山 亨 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40242036)
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Keywords | 活性型ビタミンD_3 / ビタミンDレセプター(VDR) / アゴニスト / モジュレーター / 核内受容体 / 転写共役因子 / 構造活性相関 / ハイスループット評価 |
Research Abstract |
近年、核内受容体に対する合成リガンドでは、モジュレーターと呼ばれるものが見出されている。核内受容体の一員であるビタミンD受容体(VDR)は、他の核内受容体と同様の分子メカニズムによりシグナル伝達を行っており、論理的にはVDRのモジュレーターが得られる可能性が高く、骨に対する作用(骨粗鬆症薬)と細胞分化誘導能(制がん剤)が分離可能と考えた。そこでVDRを構成するヘリックス群に対し立体障害、あるいは静電的相互作用を発揮し得る官能基を活性型ビタミンD_3分子の適切な位置に組み込むことによりVDRのhelix 12の位置変化を誘導し、目的の作用分離型モジュレーターを創製することを目的とした。高カルシウム血漿を起こしにくい活性型19-ノルビタミンD_3の2位にヒドロキシプロピル基を導入した誘導体を合成し、前立腺細胞に対する細胞増殖抑制効果を調べたところ、ED_<50>値は6.1±2.1x10^<-11>Mという極めて低い値を示した。ちなみに天然の活性型ビタミンD_3では、同一条件下ED_<50>値は6.1±2.5x10^<-8>Mであり、3桁もの違いが確認された。また、前立腺がんの細胞浸潤抑制効果も天然の活性型ビタミンD_3を上回る活性が認められた。 そこで次に、一連の19-ノルビタミンD_3誘導体を合成し、高活性の根拠を探るべく、複数のコアクチベーターとの相互作用をハイスループット法で迅速に評価するシステムを新たに確立した。すなわち、合成したリガンドがVDRのモジュレーターとして機能するかどうかについて、コアクチベーターに対する結合親和性を指標としてハイスループット法で評価する系を検討した。もしモジュレーターであれば、helix 12を通常とは異なる位置に配置すると考えられ、VDR-合成リガンド複合体は複数あるコアクチベーターとの結合親和性に変化が認められ、これを蛍光ラベルしたコアクチベーターを利用して、96穴プレートで視覚化して捉えることに成功した。
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