2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590015
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
田口 武夫 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00016180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 理 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30214787)
矢内 光 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (10408685)
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Keywords | フルオロオレフィン / フルオロアリルアルコール / ジペプチドイソスター / 塩化クロム / トリフルオロメチル / ルイス酸 / Diels-Alder反応 / 軸負不斉ラクタム |
Research Abstract |
これまでの実績や新規な研究計画に基づいて研究を展開し今年度は下記の実績を達成した. (1)ジペプチドイソスターを指向したフッ素置換オレフィン類の合成法の開発に関しては,ジフルオロアリル誘導体のアルキル銅試薬による還元的脱フッ素化反応に引き続くハロゲン化アルキルによるアルキル基導入反応について詳細な検討を行うとともに、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害活性ペプチドであるペプスタチンのスタチン-アラニン部分のアミド結合をフルオロオレフィンに置換したジペプチドユニットの合成に成功した。さらに、これまではZ異性体の合成法開発を検討して来たが、今年度はE異性体の合成法として閉環メタセシスを用いた方法の検討を開始し今後につながる知見を得た。 (2)クロム化学を基盤とするハロフルオロ化合物を用いたフッ素置換オレフィン類の合成法の開発については、ブロモフルオロアルケンと塩化クロム(II)との反応が幾何異性体間で反応性の顕著な差があることを利用して、種々のアルデヒドヘのフルオロアルケニル化反応によるZ体選択的な合成法の開発を行った。 (3)安価に入手容易なトリフオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタールを合成素子とする反応開発の一環として、オルトアミノスチレン誘導体との反応による2-トリフルオロメチルジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリンおよびキノリン類の効率的合成法の開発に成功した。 (4)不飽和ラクトン類をジエノフィルとするDiels-Alder反応に有効なルイス酸の開発を検討し、ビストリフルオロメタンスルホニルメタンとトリメチルアルミニウムから容易に調製できるアルミニウムメチドが極めて有効な触媒であることを見いだした。 上記の他,不斉パラジウム触媒を用いた分子内触媒的不斉N-アリール化反応による光学活性な軸不斉ラクタム誘導体の合成法の開発に成功し、さらに得られた軸不斉分子の不斉反応への応用としてエノレート化学への展開を行って好結果を得ている。
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