2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590015
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
田口 武夫 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 教授 (00016180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 理 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (30214787)
矢内 光 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (10408685)
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Keywords | フルオロオレフィン / ペプチドミメティックス / 塩化クロム / トリフルオロアセトアルデヒド / トリフルオロメタンスルホニル / Diels-Alder反応 / アトロプ異性 |
Research Abstract |
これまでの実績や新規な研究計画に基づいて研究展開を図り今年度は下記の成果を挙げた。 (1)ペプチドミメティックスを指向したフッ素置換オレフィンの合成に関しては、これまでの結果を踏まえてフルオロアルケニルクロム種の発生とアルデヒドへの付加反応とフルオロビニル部位を反応部位のひとつとする閉環メタセシスによるE異性体の合成について検討した。前者については、ブロモフルオロアルケンと塩化クロム(II)との反応では幾何異性体間で反応性に大きな差があり、種々のアルデヒドへの付加反応ではフルオロオレフィン部に関してZ異性体の合成に適用可能である事を明らかにした。さらに、本反応を用いてベスタチンのフルオロオレフィンアナログの合成を検討した。後者の閉環メタセシスに関しては、種々検討した結果フッ素置換により反応性の顕著な低下が認めらるものの、目的物の収率などの点から本反応が適用可能な基質構造を明らかにした。 (2)安価に入手容易なトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを用いる反応開発では、N-アリル-オルトアミノフェノールとの反応で得られるN,0-アセタール類が種々のアルキルリチウムと容易に反応して脱フッ素化を伴ってアルキル基が導入される反応を見出した。さらに、本反応の中間体はカルボニル化合物やハロゲン化剤など種々の親電子と反応して新たな結合形成が可能である事も見出した。 (3)昨年度ビストリフルオロメタンスルホニルメタンとトリメチルアルミニウムから調整されるアルミニウムメチドが不飽和ラクトン類をジエノフィルとするDiels-Alder反応に有効なルイス酸触媒であることを見出し、今年度は本反応の詳細を検討し、論文発表した。さらに、このような炭素酸を基盤とする触媒を鋭意検討した結果、テトラキストリフルオロメタンスルホニルプロパンがシリルエノールエーテノセ誘導体の不飽和ケトンへの1,4-付加反応に極めて有効な触媒である事を見出した。 (4)軸不斉ラクタム誘導体の合成と不斉反応への応用展開については、軸不斉ラクタム誘導体の実用的な合成法と得られた光学活性軸不斉ラクタムの高ジアステレオ選択的なα位アルキル化反応を確立した。さらに本反応を利用してノルエピネフリントランスポーター阻害剤の効率的合成に成功した。
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Research Products
(5 results)