2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
横山 祐作 東邦大学, 薬学部, 助教授 (10095325)
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Keywords | 有機合成 / 生体分子 / 芳香族アミノ酸 / ブロム化 / 水溶液 / 保護基 / 無保護アミノ酸 / 位置選択的 |
Research Abstract |
アミノ酸を保護することなく変換反応を行い、有用な生体機能物質の短行程合成を可能にする事を目的として、本年度は、無保護芳香族アミノ酸の芳香環の直接ブロム化を検討した。 無保護アミノ酸は、中性あるいは塩基性条件下では、ブロム化剤と反応し、N-ブロム体を経由し、脱炭酸反応が引き金となって分解することが知られている。しかし、強酸性にすればアミノ基はアンモニウム塩となるためにアミノ基へのブロム化は防げ、結果として芳香環へのブロム化が進行するものと考えられる。そこで、Phenylalanine(1),Tyrosine(2),Phenylglycine(3)の芳香族アミノ酸を60%硫酸水溶液中で、Bromoisocyanuric Acid Sodium Salt(4)をブロム化剤として反応を行った。 その結果、1からは、オルト体とパラ体の混合物として合計収率94%で、2からは2当量の4を用いることで、ジブロム体が71%の収率で得られた。また、これらの生成物の光学純度は、99%以上で、全くラセミ化していないことも明らかとなった。一方3からは、予想外なことに、メタ体を主生成物(44%)として、オルト体、パラ体を伴い、合計78%の収率で得られた。 さらに、アミノ酸、1,3を用いて、以下に示す検討を行った。 1)硫酸の濃度、反応時間、反応温度 2)Phenylethylamine(5),Benzylamine(6)のブロム化;アミノ酸との反応性及び選択性の比較 3)アミノ酸、アミンの有機溶媒中でのブロム化→水溶媒との反応性の比較 3)他のブロム化剤との反応性、位置選択性の比較 以上の検討結果から、無保護アミノ酸が水溶液中では安定性であり、対応するアミン(5,6)の反応性とは、若干異なることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)