2006 Fiscal Year Annual Research Report
多成分連結法と希土類金属塩が誘起する連続環化を基軸とする生理活性物質の合成研究
Project/Area Number |
17590017
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長岡 博人 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (30155915)
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Keywords | SmI_2 / 環化反応 / シクロペンタノン / C_<19>-gibberellin / 合成 / 環組替え / bicyclo[3.3.0]octan-1-ol |
Research Abstract |
有意義な生理活性を示す有機化合物の中には、五員環を部分構造とし、多数の官能基が複雑に組み込まれたものが数多く存在する。複数の官能基をもつシクロペンタノン環の効果的合成手法の開発は、こうした生理活性物質の重要な供給手段となる。申請者らは最近、α,β-不飽和エステルとSmI_2との反応で発生するSmエノラートが分子内に存在するステルで捕捉されることを見出し、これに着目した2つの連続環化法を開発した。本研究はこれらの反応を活用する新たな展開とこれらの有する潜在能力を引き出すための新手法開発及びその新手法利用による生理活性物質の新規合成ルートの開発を目的に行われた。今回の研究の最も重要な成果は植物ホルモンC_<19>-gibberellin類の短工程合成の達成である。この合成の鍵反応は、出発原料とした3-methoxy-2-cyclohexenoneから10数工程で誘導されケトン、エステル及びα,β-不飽和エステルを備えた基質のSmI_2による連続環化であり、この反応により骨格構築が極めて容易になった。また、この研究過程で新しい環組替え法を見出した。これは8-methylene-bicyclo[4.2.0]octan-2-one誘導体にSmI_2を反応させ、bicyclo[3.3.0]octan-1-ol誘導体を生成させる新しい方法であり、現在、この反応の適用範囲と限界の解明、及び生理活性天然物合成への応用について検討している。さらに、SmI_2の誘起する連続反応を鍵ステップとした光学活性coriolinの合成についても検討中である。
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