2005 Fiscal Year Annual Research Report
多分子担持型フタロシアニン固相担体を用いる固-液ハイブリッド合成法の開発
Project/Area Number |
17590018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高波 利克 明治薬科大学, 薬学部, 助教授 (40241111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 晃治 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00087785)
|
Keywords | 金属フタロシアニン / 金属ポルフィリン / リサイクル / 機能性固相担体 / 三置換エポキシド / アルデヒド / Claisen転位反応 / シアノポルフィリン |
Research Abstract |
本研究は、フタロシアニン分子をベースとする機能性固相担体の開発を目指すものであり、本年度は、金属フタロシアニン触媒のリサイクル性、及びフタロシアニンに密接に関連するポルフィリン分子の新規修飾反応について検討し、以下の新知見を得た。 (1)金属フタロシアニン触媒Cr(pc)OTfが類似の金属ポルフィリン触媒Cr(tpp)OTfよりも高いルイス酸性を示し、Cr(tpp)OTfでは困難であったアルキル三置換エポキシドのアルデヒドへの位置・立体選択的な転位反応の触媒として有効であり、しかも、リサイクル性に極めて優れていることを見出した。すなわち、ジクロロエタン中、エポキシドにフタロシアニン触媒Cr(pc)OTfを作用させると、エポキシドの対応するアルデヒドへの位置・立体選択的転位反応が起こり、生成するアルデヒドと触媒との分離は、反応溶媒を留去後、残渣にヘキサンを加え、触媒を沈殿させるだけで容易に達成できることが判った。また、回収したフタロシアニン触媒は繰り返し使用することが可能で、5回程度使用しても再利用による触媒活性(収率及びee)の低下は殆ど認められず、本触媒の優れたリサイクル性が明らかとなった。これらの結果の一部を、「第3回次世代を担う有機化学シンポジウム、2005/5、東京」において報告した。 (1)金属ポルフィリン錯体Cr(tpp)C1をルイス酸触媒として用いると、脂肪族アリルビニルエーテルのClaisen転位反応が進行し、通常の熱反応とは逆のE配置を持つγ,δ-不飽和アルデヒドが高収率で得られることを見出し、脂肪族アリルビニルエーテルのZ体選択的Claisen転位反応を初めて触媒的に達成した。 (2)Pd(0)触媒存在下、meso位にハロゲンを持つポルフィリンとBrZnCH_2CH_2CNとの反応を行うと、予想されるカップリング反応ではなく、この亜鉛反応剤がシアノ源として働き、meso位のシアノ化が効率よく進行することを見出した。この反応は、シアノポルフィリンの一般合成法として利用できる。
|
Research Products
(2 results)