2006 Fiscal Year Annual Research Report
多分子担持型フタロシアニン固相担体を用いる固-液ハイブリッド合成法の開発
Project/Area Number |
17590018
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高波 利克 明治薬科大学, 薬学部, 助教授 (40241111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 晃治 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00087785)
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Keywords | 金属フタロシアニン / 金属ポルフィリン / リサイクル / 機能性固相担体 / エポキシド / アルデヒド / Claisen転位反応 / [3,3]シグマトロピー転位 |
Research Abstract |
本研究は、フタロシアニン分子をベースとする機能性固相担体の開発を目指すものであり、本年度は、これに関連して、金属フタロシアニン型ルイス酸触媒及びポルフィリン型ルイス酸触媒を用いる反応等について検討し、以下の新知見を得た。 (1)金属フタロシアニン型ルイス酸触媒Cr(pc)OTfを用いるエポキシドのアルデヒドへの位置・立体選択的転位反応:ポルフィリン触媒Cr(tpp)OTfは、牧率や位置・立体選択性に優れたルイス酸触媒であり、特に、転位する置換基が比較的電子供与性の高いシロキシメチル基などの場合には90%以上の高い牧率と殆ど完全に近い選択性が得られる。しかしながら、転位する置換基がアルキル基の場合には、牧率だけではなく選択性も低下してしまう。これに対し、ポルフィリン触媒Cr(TPP)OTfをフタロシアニン触媒Cr(PC)OTfに換えると、アルキル基を転位基として持つ基質にも適用でき、i)反応時間の短縮、ii)基質一般性の向上、及びiii)触媒の回収・再利用などが容易に達成できることを見出した。 (2)金属ポルフィリン錯体Cr(tpp)Clをルイス酸触媒として用いる脂肪族アリルビニルエーテルのClaisen転位反応:脂肪族アリルビニルエーテルにルイス酸を作用させると、一般に、目的の[3,3]転位生成物だけではなく、基質のイオン的開裂により生じる[1,3]転位生成物も副生する。これに対し、ポルフィリン触媒Cr(TPP)Clをルイス酸触媒として用いると、基質のイオン的開裂が効果的に抑えられ、協奏的な[3,3]転位のみが進行し、対応するClaisen生成物を高位置選択的に与えることを見出した。
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Research Products
(1 results)