2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規生物活性先導物質の探索を志向したピロロインドール類の多様的合成と生物活性評価
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17590019
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
川崎 知己 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (70161304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光利 東邦大学, 薬学部, 助教授 (60231346)
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Keywords | フィゾスチグミン / アセチルコリンエステラーゼ / アマウロミン / 不斉反応 / ピロロインドール / クライゼン転位 / 構造活性相関 / 酵素阻害活性 |
Research Abstract |
1.フィゾスチグミン類縁体の合成 昨年度に引き続き、中枢神経系でアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用を発現するフィゾスチグミン類縁体の探索を目的に、これらリードとなる類縁体の合成を行った。この合成は、不斉連続反応を用い3a位アリル系置換基とピロロ環ユニットの導入で得られるオキシインド-ルに窒素上置換基を導入後、還元的環化反応によりピロロインドール骨格を構築し、最後に、カルバモイル構造を導入する方法で実施した。また、3a位アリル系置換基を足がかりにし、多様な置換基に変換し、3a位置換基に関する多様な誘導体の合成も行った。さらに、光学活性アリルアルコールを用い、光学活性フィゾスチグミン類縁体の合成を行った。 2.フィゾスチグミン類縁体の活性評価 咋年度と同様、合成したそれぞれの類縁体についてラット中枢型AChEおよび末梢型血清中ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)に対する阻害活性をベンゾイルコリン基質法などを用い評価した。その結果、3a位置換基の嵩が高いと中枢型AChEに対する選択性が増すが、阻害活性の低下を生じることがわかった。(-)-光学活性体の阻害活性は若干強くなる傾向が見られた。カルバモイル構造の臭素、フッ素原子による阻害活性の選択性に大きな違いは認められなかった。 3.アマウロミン関連化合物の合成 昨年度アマウロミン関連化合物の合成ルートを検討し、ピロロインドールの酸化、C1ユニットの導入を通して、ピロロインドール-2-カルボン酸前駆体までの合成手法を確立したが、大量合成に問題を残していた。本年度は、より効率の高い方法を開発し、C1ユニットの導入としてUgi反応を適用し、アマウロミン関連化合物の合成を一挙に短縮し、アマウロミンの関連化合物フルクチゲニン、ベルコホルチンの全合成を完成した。
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