2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機触媒による光学活性4級炭素構築法の確立と生物活性化合物合成への展開
Project/Area Number |
17590023
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
原 脩 Meijo University, 薬学部, 准教授 (40222228)
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Keywords | Stetter反応 / アゾリウム塩 / 直接的Heck反応 / ビフェニル型アゾリウム塩 |
Research Abstract |
Stetter反応による脂肪族系6員環形成の基質としては単純な鎖状系では起こりにくいことがわかり、6員環内に置換基を持つような基質での環化を試みたところ、マロン酸誘導体で反応が進行することが明らかとなった。そこで光学活性な環化生成物を得ることをふまえ、光学活性なアゾリウム塩を合成に繋がる。そのアゾリウム塩のデザインとしては軸不斉を有する新規なアゾリウム塩にターゲットを絞り合成を試みた。これまで軸不斉を有するアゾリウム塩は報告されていない。しかし、アゾリウム塩より求核性のカルベンを発生させるために芳香環との共鳴構造は非常に重要と考えられる。そこで軸不斉を誘起する骨格としてシンプルなビフェニル環を用い、直接アゾリウム環が導入できないか検討したところ、チアゾール誘導体はスズやボロン酸を用いることなく、Heck反応により直接チアゾール館を導入でき、ビアリール構造をもつチアゾリウム塩の簡便な合成法を確立できた。得られたチアゾリウム塩の反応性をビフェニル部分の影響、4級アルキル化に用いるハロゲン化アルキルの影響、塩基の影響などの面から調査した。その結果、ビフェニル部位の構造の影響は反応性にはあまり影響ないことが明らかとなった。ハロゲン化アルキルについて調査したところアルキル基は、長鎖やかさ高いアルキル基は反応性が低く、エチル基やベンジル基、特にエチル基は反応時間が約15分で終了し、非常によいアルキル基であることがわかった。ハロゲンイオンについてはヨウ素、臭素、塩素イオンの順に反応性が上がる傾向が見られた。用いる塩基の種類はDBUを用いることで反応時間が短縮されることも明らかとなった。現在、これらの治験をもとに光学活性なチアゾリウム塩の合成を行っており、その反応性は期待できるので、構造の不斉収率に与える影響を検討している。
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Research Products
(5 results)