2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖転移酵素の阻害剤を指向した糖ヌクレオチド類似体の設計と合成
Project/Area Number |
17590024
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
梶本 哲也 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (80185777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 崇一 東海大学, 未来科学技術共同センター, 教授 (90124677)
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Keywords | nikkomycin / polyoxin / thymine polyoxin C / L-スレオニンアルドラーゼ / 糖転移酵素 / 糖ヌクレオチド / 阻害剤 / β-ヒドロキシ-α-L-アミノ酸 |
Research Abstract |
近年、糖転移酵素の異常な活性発現が癌や自己免疫疾患などの疾病に関与していることが明らかにされ、糖転移酵素に対する阻害剤が新規医薬品のリード化合物として期待されている。 糖転移酵素は糖ヌクレオチドを糖供与体基質として利用し、オリゴ糖鎖に糖を転移して糖鎖を伸長する反応を触媒する。それゆえ、糖転移酵素の阻害剤開発においては、糖ヌクレオチドの類似体を合成することが必要不可欠である。 一方、微生物が生産する抗生物質にもnikkomycinやpolyoxin類など糖ヌクレオチドのペプチド性類似体と呼べるものが多く存在する。そこで私たちは、今年度、thymine polyoxin C(1)の効率良い合成法を検討した。1はβ-ヒドロキシ-α-L-アミノ酸を部分構造として持っていることから、私たちが開発したL-スレオニンアルドラーゼを用いて、水溶液中、温和な条件下で合成できると予想し、合成スキームを考えた。 実際には、D-リボースから3工程で調製できる(2S,3S)-2,3-O-isopropyriden-4-penten-1-alとグリシンとをL-スレオニンアルドラーゼの触媒する反応で縮合させ、得られるβ-ヒドロキシ-α-L-アミノ酸のアミノ基とカルボキシルをそれぞれCbz-基、メチル基で保護した。続いて、得られた保護アミノ酸の末端二重結合をオゾン酸化し、生成するアルデヒドをAmberlyst 15存在下にオルトギ酸メチルで処理し、1の合成前駆体であるmethyl(methyl 5-N-carboxybenzylamido-5-deoxy-2,3-isopropyliden-D-allo furanosid)urinate(2)の簡易合成に成功した。2から1への変換は既に報告されており、私達の手法は1の全合成を短工程、高収率(15工程、5%)で達成できることを示した。
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Research Products
(3 results)