2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
眞野 成康 東北大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (50323035)
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Keywords | 脳内胆汁酸 / cleavable affinity gel / アフィニティー抽出 / プロテオミクス / 質量分析法 / 小分子-タンパク質相互作用 / ジスルフィドリンカー / 成長ホルモン |
Research Abstract |
前年度調製し、性能評価を行ったcleavable affinity gelを用いて、ラット脳内の胆汁酸結合タンパク質の抽出を試みた。まず、Wistar系雄性ラットの脳を摘出し、大脳、中脳、小脳、脳幹、海馬、下垂体に分けた後,それぞれホモジナイズして可溶性画分を調製した。それぞれにつき、ケノデオキシコール酸(CDCA)を先端に固定化したcleavable affinity gelと穏やかに混合し、CDCA結合タンパク質を捕捉した。リン酸緩衝液を用いてゲルを洗浄後、ジチオスレイトールを添加してジスルフィドリンカーを還元的に切断した。上清に回収したタンパク質をSDS-PAGEにより分離したところ、各組織試料から共通して3種のタンパク質バンドが濃縮されることが判明した。これらをゲル内消化後、MALDI-TOF MS分析し、データベース検索したところ、それぞれα,β-チューブリン、β-アクチン、14-3-3タンパク質であることが判った。さらに下垂体試料においては、上記3種のバンドの他にさらに2種のバンドが認められた。それらを同様に分析したところ、血清アルブミン及び成長ホルモンであることが明らかとなった。一方、CDCAの替わりに酢酸を固定化したコントロールゲルを用いると、いずれのタンパク質も濃縮されなかった。血清アルブミンは胆汁酸のキャリアータンパク質であることが知られており、下垂体門脈中の血清アルブミンが混入したことによって検出されたものと思われるが、これが特異的に抽出されたことを考え併せると、CDCAが今回抽出されたタンパク質と脳内で結合することが強く示唆された。
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Research Products
(16 results)