2005 Fiscal Year Annual Research Report
微量生体成分分析用超高感度マイクロチップ液体クロマトグラフィーの開発
Project/Area Number |
17590030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 智文 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (30187306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 誠 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10323453)
船津 高志 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (00190124)
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Keywords | クロマトグラフィー / マイクロチップ / 蛍光 / 標識試薬 / LC / MS / ベンゾフラザン |
Research Abstract |
近年、分析化学におけるダウンサイズ化として、半導体微細加工技術を利用したマイクロ化学分析システムが注目されている。これはガラスあるいは高分子などの基板上に微細な溝を作成し、この溝を反応場や分離場として利用するものである。分析の極微量化と高速化が可能となるため、マイクロ化学分析システムは、分析化学、生化学、分子生物学、環境化学、臨床診断などに大きく貢献すると考えられる。本研究では、従来の電気泳動法を分離に用いた方法よりも広い範囲の分析対象物質に適用可能と考えられているマイクロチップ液体クロマトグラフィーの開発を目指して研究を行った。 平成17年は、マイクロチップ液体クロマトグラフィー開発にむけて、高感度検出のための標識試薬の開発と分離検出系の集積化に取り組んだ。まず、水溶性置換基を有するベンゾフラザン骨格を有する化合物の構造と蛍光特性の関係を検討した。その結果、半経験的分子軌道計算により算出した軌道エネルギーと蛍光特性の関係が明らかになり、水溶性置換基を有する蛍光標識試薬を容易に設計することが可能になった。水溶性の試薬はマイクロチップ上での分離において問題となる基板への吸着を防ぐことができると考えられる。また、開発した試薬と液体クロマトグラフィーを用いてペプチド類の高感度分析が可能であることが示された。さらに、ベンゾフラザン骨格を有する標識試薬を用いて生体分子のLC/MS分析を行った。ベンゾフラザン標識試薬はLC/MSでも高感度に検出されることが明らかとなり、マイクロチップ液体クロマトグラフィーの検出系として質量分析も有力であることが示された。また、現在、モノリス型キャピラリーカラムおよびチップ上でのモノリスカラムの作成に取り組み、分離系の微量化に取り組んでいる。
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Research Products
(3 results)