2005 Fiscal Year Annual Research Report
非エンドサイトーシス取り込み機構の新規遺伝子導入リポソームベクターの開発
Project/Area Number |
17590043
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
米谷 芳枝 星薬科大学, 医薬品化学研究所, 教授 (10231581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸澗 一孔 野口研究所, 研究部, 研究員 (30311260)
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Keywords | 遺伝子ベクター / 生体膜貫通ペプチド / リポソーム / 非エンドサイトーシス / 遺伝子治療 / オリゴアルギニン脂質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、オリゴアルギニンを脂質分子に結合した化合物を合成し、それで修飾したリポソームを調製し、培養細胞での遺伝子導入効率、さらに疾患モデルマウスを作製し、遺伝子発現による治療効果を評価することによって、非エンドサイトーシス取り込み機構の新規遺伝子導入リポソームベクターを開発することである。今年度は、生体膜貫通ペプチドであるオリゴアルギニンの合成と、オリゴアルギニン修飾リポソームの調製および、そのリポソームへのDNAの封入法の確立を目指した。オリゴアルギニン脂質としては、オリゴアルギニンの鎖長(n=4〜12)や、アミノ酸配列、脂質分子の構造、オリゴアルギニンと脂質分子を結ぶリンカー構造(ポリエチレングリコール(PEG)脂質の鎖長)が異なった各種誘導体を合成した。これらのオリゴアルギニン脂質は血清存在下および培地中で安定であった。オリゴアルギニンPEG脂質は自己凝集体であるミセルを形成することを明らかにし、ミセル形成能は蛍光物質のピレンを用いて、臨界ミセル濃度測定から評価した。また、オリゴアルギン脂質で修飾したリポソームを調製し、その物性を評価した結果、遺伝子ベクターとしてはオリゴアルギニンの鎖長が長いほうが遺伝子発現効率が高いことを明らかにした。さらに、DNAのオリゴアルギニン修飾リポソームへの封入法として、DNAをポリLリジンやプロタミンなど、正電荷高分子で凝集し、つぎにこれを負電荷のリポソームに封入し、その後オリゴアルギニンで修飾する調製法も確立した。以上のように、オリゴアルギニン修飾リポソームの物性や遺伝子導入効率を測定した結果、アルギニン数10で修飾したリポソームベクターを最適な遺伝子導入ベクターとして選択した。また、DNAをオリゴアルギニン修飾リポソームに高効率で封入することに成功した。
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