2005 Fiscal Year Annual Research Report
タウ蛋白質の自己凝集機構の解明:痴呆治療薬開発のための基盤研究
Project/Area Number |
17590045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
石田 寿昌 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (00111021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友尾 幸司 大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (70257898)
尹 康子 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (50257896)
箕浦 克彦 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (10278591)
谷口 泰造 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 講師 (70346253)
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Keywords | タウ蛋白質 / マイクロチュブル結合ドメイン / フィラメント形成 / 自己重合 / 認知症治療薬 |
Research Abstract |
(1)タウMBDドメインの自己会合に重要な各リピート構造の同定とそのアミノ酸残基の同定 自己重合の分子間結合に重要と思われる機能性アミノ酸残基(特にシステインやプロリンに加えて、シート構造やヘリックス構造形成に重要に関与しているアミノ酸残基)を非機能性アミノ酸に置換した一連のMBDドメイン変換体を作成し、種々の物理化学的手法(X-線結晶構造解析、NMR溶液実験、蛍光・UV・CD、表面プラズモン共鳴法、電顕測定等)により構造解析を進め、自己凝集形成に重要なアミノ酸残基を同定・確認すると共に、タングル形成開始に必要な立体構造に関する情報を集めた。その結果、R2およびR3繰り返し構造のN-末端構造、特にその7番目のリジンおよびプロリン残基がMBD自己会合の形成促進に重要な役割を果たしていることを始めて明らかにし、学会発表すると共に論文報告した。 (2)タウMBDドメインの自己会合を阻害する分子の設計 正常なタウ蛋白質は可溶性のランダム構造をとっているが、自己凝集が行われる環境下では、タウ蛋白特にBMDドメイン領域では両親媒性のシート構造形成能ならびにヘリックス構造形成能の高い領域が形成され、タウ蛋白質の自己凝縮と極めて関係深いことを明らかにし、学会発表すると共に論文発表した。 そして、現在鋭意、そのBMDドメインの自己凝集を阻止させる目的で、BMDドメインの各レピート構造部分の最も両親媒性シート構造形成能およびヘリックス構造形成能の高いペプチド配列に対して、この配列と選択的に結合する一連のペプチドあるいは共有結合性化合物を分子設計すると共にとその化学合成を行っている。 (3)MBDドメンの各リピート構造を特異的に認識する抗体の調整と各抗体によるタングル形成会合阻害実験 タウ蛋白質のタングル形成に重要に関わるMBDの繰返しドメインの特定のアミノ酸領域を認識する抗体(特にR1ドメインを認識する抗体)はタングル形成を優位に阻止すること明らかにし、その成果を論文に発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Effects of different anti-tau antibodies on tau fibrillogenesis : RTA-1 and RTA-2 counteract tau aggregation2005
Author(s)
T.Taniguchi, M.Sumida, S.Hiraoka, K.Tomoo, T.Kakehi, K.Minoura, S.Sugiyama, K.Inaka, T.Ishida, N.Saito, C.Tanaka
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Journal Title
FEBS Lett 579
Pages: 1399-1404
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