2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590049
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
平 敬宏 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (70197036)
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Keywords | パーキンソン病 / DJ-1 / 酸化ストレス / 神経変成疾患 / 病態モデル動物 |
Research Abstract |
パーキンソン病などの神経変成疾患は高度高齢化社会の到来により患者数の急増が大きな社会問題となっている。研究代表者らが1997年に新規がん遺伝子として同定報告したDJ-1は、2003年に家族性パーキンソン病の原因遺伝子(PARK7)であることが、欧州での患者家族の家系解析により明らかにされた。その後、あいついで家族性パーキンソン,でなど数多くの遺伝子変異が報告されている。 パーキンソン病は、中脳黒質の神経細胞変成作用による、運動障害、情緒障害疾患である。しかしながら、DJ-1の抗酸化ストレス防御機能が研究代表者等によって、試験管内実験、培養細胞を用いた実験により証明されていたが、パーキンソン病の病態である、神経(細胞)変成作用に対する機能は不明なままであった。 そこで、本研究ではパーキンソン病病態モデル動物での野生型DJ-1、およびPARK7患者で見いだされた変異型DJ-1の酸化ストレスに対する神経細胞の細胞死抑制作用を解析した。また、DJ-1の生物学的な機能調節とSUMO-lタンパク質修飾の関与を検討し、以下のような結果を得て、公表した。 1、ラット中脳に6-Hydoroxydopamineを微量注入することにより、パーキンソン病病態モデルとなるラットの作成方法を開発した。 2、病態モデルラットに、野生型DJ-1タンパク質を同時または後日投与することにより、6-Hydoroxydopamineによるドパミン作動性神経細胞の損傷が回避される。一方変異型タンパク質ではその機能が喪失している。 3、DJ-1タンパク質投与により、神経細胞損傷による運動障害が改善される。 4、DJ-1の生物学的機能調節にはSUMO-1タンパク質修飾が重要であり、その修飾部位の同定、修飾部位変異体の細胞内局在性の変動と生物学的機能喪失などを明らかにした。 以上
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