2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590053
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 直人 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00166620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐治 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (10280918)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 共焦点顕微鏡 / シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / 細胞核 / ゴルジ体 / 細胞内トラフィック |
Research Abstract |
Src型チロシンキナーゼは、N末端脂肪酸付加によって細胞膜に係留し、細胞膜直下において、受容体からのシグナルを伝達し、増殖・分化・運動・生存・形態変化などに深く関与すると考えられている。Src型キナーゼはc-Src/Lyn/c-Yes/Fyn/Lck/Hck/c-Fgr/Blkの8種類から成り、細胞種によって異なる組合せで多重発現するが、細胞表面膜直下以外では、機能は殆ど明らかでない。 本研究では、Src型キナーゼの細胞内輸送経路と局在を研究し、Src型キナーゼ各メンバーの機能に関して調べた。また、Src型キナーゼを抑制するChkチロシンキナーゼの核局在についても研究をおこなった。(1)過酸化水素を用いて、酸化ストレスを与えたところ、ゴルジ装置膜上に蓄積局在するLynが同じくゴルジ装置に存在するアネキシンIIをチロシンリン酸化することが分かった。その結果、アネキシンIIはゴルジ装置から小胞体へと移動した。しかしながら、c-Srcはゴルジ装置に局在しておらず、酸化ストレス下でアネキシンIIのリン酸化には関与していなかった。従って、Src型キナーゼの内膜に局在する意義と重複発現および特異的役割が初めて分かった。(2)Lynのキナーゼ領域がLynの輸送に関わることを見つけたので、GSTプルダウン法を用いて、キナーゼ領域との結合蛋白質を精製し、MALDI-TOF MASS解析を行なったところ、2種類の脂質修飾蛋白質が同定された。(3)Chkチロシンキナーゼは核に存在して、核の分葉形態を引き起こし、S期を遅らせ細胞増殖を阻害した。また、ChkのN末端領域配列が核マトリックスへの結合に関与した。更に、Src以外の基質が核マトリックスに存在して、細胞増殖抑制に重要な働きをすることが判明した。
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Research Products
(5 results)