2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590053
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 直人 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00166620)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐治 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (10280918)
|
Keywords | 遺伝子 / 癌 / 共焦点顕微鏡 / シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / 細胞核 / ゴルジ体 / 細胞内トラフィック |
Research Abstract |
Src型チロシンキナーゼは、N末端脂肪酸付加によって細胞膜に係留し、細胞膜直下において、受容体からのシグナルを伝達し、増殖・分化・運動・生存・形態変化などに深く関与すると考えられている。Src型キナーゼはc-Src/Lyn/c-Yes/Fyn/Lck/Hck/c-Fgr/Blkの8種類から成り、細胞種によって異なる組合せで多重発現するが、細胞表面膜直下以外では、機能は殆ど明らかでない。 本研究では、Src型キナーゼの細胞内輸送経路と局在を研究し、Src型キナーゼ各メンバーの機能に関して調べた。1.貪食細胞や癌細胞などでは、外界から栄養などを取り込むためにマクロピノソームの機能が亢進していることが知られている。マクロピノソームにc-Srcが脂質アンカーで係留していることが明らかとなり、さらに、c-Srcをモニターすると、細胞膜で生成したマクロピノソームが細胞内へと輸送されてゆくことがリアルタイムで可視化できた。また、マクロピノソームの生成とリソソームとの融合にc-Srcキナーゼ活性が必要であることも明らかとなった。さらに、c-Srcの仲間であるLynやc-Yes、Fynはマクロピノソームには殆ど係留されなかったので、Srcファミリーメンバー間での機能の差異が見い出された。2.細胞分裂の最後のフェーズはミッドボディー構造の切断を含む細胞質分裂期と呼ばれている。Src型チロシンキナーゼ酵素活性はそのミッドボディー切断に深く関わっていることが見い出された。Srcキナーゼのシグナル伝達下流でErkが活性化され、Rab11陽性の輸送小胞によって活性化型Erkがミッドボディーまで運ばれて、切断に関わることが示された。
|
Research Products
(5 results)