2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答キナーゼTAK1によるがん転移促進作用の分子機構解析
Project/Area Number |
17590055
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
櫻井 宏明 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教授 (00345571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
済木 育夫 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (80133776)
小泉 桂一 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助手 (10334715)
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Keywords | TAK1 / TNF-α / がん転移 / IL-2 / T細胞 |
Research Abstract |
がんの悪性化・進展におけるストレス応答キナーゼTAK1の果たす役割について解析を行った。がん転移機構におけるTAK1活性化の果たす役割を明らかにするために、まず基礎的なTAK1活性化機構について解析した。その結果、TAK1はMEKK3と協調して働き、TNF-α受容体に会合することが明らかとなった。また、TAK1キナーゼドメインのThr-187の分子間自己リン酸化が活性化に必須であることが明らかとなった。このリン酸化は、TAK1活性化因子TAB1およびTAB2が関与しているとともに、p38によるTAK1のフェードバック阻害機構において脱リン酸化された。 そこで、TAK1によるがん転移機構についてマウス結腸がんcolon26細胞を用いて検討した。Colon26細胞にTAK1およびTAB1を過剰発現すると、in vitroの細胞遊走活性とともにin vivoの肺転移能が亢進した。Colon26細胞をTNF-α刺激すると内在性TAK1の自己リン酸化および下流のJNK/p38の活性化が認められた。TAK1 siRNAにて内在性TAK1の発現をノックダウンすると、TNF-αによるJNK/p38活性化、細胞遊走活性、および肺転移能の亢進が有意に低下した。したがって、TNF-αによって活性化されたTAK1は、JNK/p38活性化を介してがん転移に促進的に作用していることが明らかとなった。 TAK1の免疫系における役割を明らかにするため、Jurkat T細胞株を用いて検討を行った。その結果、TAK1はJNK/p38/IKK経路を介してIL-2プロモーター活性を制御していることが明らかと綯った。また、B細胞シグナルにおいてもIKK活性化を制御していることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)