2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規RNAヘリカーゼD1の研究を通じた高等真核生物のゲノム安定性維持機構の解明
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17590057
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
浴 俊彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40192512)
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Keywords | ヘリカーゼファミリー / 線虫 / ゲノム安定化 / 生殖細胞形成 / RNAi / 新規遺伝子 |
Research Abstract |
線虫ヘリカーゼファミリーの網羅的な機能解析において、RNAi処理個体がX線感受性を示す新規ヘリカーゼ遺伝子として申請者らによって見いだされたD1遺伝子について、その具体的な生理機能を明らかにするため、本年度は以下の項目について研究を行った。 (1)RNAi処理個体の表現型解析 D1遺伝子の機能抑制が及ぼす影響について詳細な検討を進めた。当該遺伝子の抑制により、受精卵の生存率低下が観察されていた。そこで、卵形成と受精が行われる線虫卵巣部における異常の有無について、染色体を可視化できるGFP融合ヒストン発現線虫を用いて表現型の検討を行った。その結果、卵巣末端部の細胞分裂域における細胞分裂能およびハイドロキシウレアによる複製チェックポイント誘導能に関しては野生型との有意差は認められなかった。一方、生殖細胞形成過程で染色体の形態異常が見られたことや、D1機能抑制個体からの受精卵においては発生初期での細胞分裂停止が生じていることを考えると、卵形成における染色体動態制御に何らかの異常が生じている可能性がある。 (2)D1タンパク質の調製 当該タンパク質の生化学的な性状解析を目的に、大腸菌およびバキュロウイルスによる発現系を用いたヒスチジンタグ融合D1タンパク質(約130kDa)の調製を試みた。大腸菌では大量の目的タンパク質の発現を確認したが、殆ど不溶化してしまい活性型のタンパク質として回収は困難であった。一方、バキュロウイルス発現系では発現量は少ないが可溶化タンパク質として回収できる結果を得た。現在、同系を用いて大量調製を行う準備を行っている。大腸菌発現タンパク質を抗原にラットへ免疫して抗血清の作成を行ったが、現在のところ特異性の高い標品は得られていない。 (3)タンパク質間相互作用の解析 酵母two-hybrid解析による相互作用タンパク質のスクリーニングを行った結果、約13個の候補遺伝子が同定された。
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[Journal Article] Caenorhabditis elegans geminin homologue participates in cell cycle regulation and germline development2005
Author(s)
Ken-ichiro Yanagi, Takeshi Mizuno, Takashi Tsuyama, Shusuke Tada, Yumi, Iida, Asako Sugimoto, Toshihiko Eki, Takemi, Enomoto, Fumio Hanaoka
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry 280(20)
Pages: 19689-19694
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