2005 Fiscal Year Annual Research Report
光共鳴エネルギー移動を利用した薬物受容体相互作用の網羅的探索法の開発
Project/Area Number |
17590058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
輿水 崇鏡 京都大学, 薬学研究科, 講師 (20392491)
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Keywords | 受容体ダイマー / BRET / 免疫沈降 / Gタンパク質共役型受容体 / 共鳴エネルギー移動 / 蛍光タンパク質 / 発光タンパク質 |
Research Abstract |
G-タンパク質共役型受容体遺伝子の塩基配列を機能が未知の受容体を含めて獲得した。次に目的の遺伝子を入手するため理化学研究所等の提供するヒト完全長cDNAデーターベース、国立遺伝学研究所のDDBJから情報を収集し購入あるいは譲渡を受けた。特に我が国でヒトクローン3万株を収集したFLJクローン(NEDO)からは迅速に検索と入手が可能であった。次に発現用受容体-蛍光蛋白質と受容体-発光蛋白質の作成を行った。受容体の終止コドンを制限酵素部位に変更した受容体遺伝子を作成し塩基配列を確認する作業を順次行っている。蛍光、発光蛋白質部分に付いては発現させて確認をする。次に配列を確認し作成した発現用コンストラクトが受容体として機能することを、受容体の内在化や細胞内メッセンジャーの変化により順次確認を進めている。 さらに、作成した受容体融合蛋白質が、培養細胞系で適切に一過性発現し得るか、蛍光強度や発光の強度を発現量の指標として測定し、実験に用いる適切なDNA量を決定した。また、この時点でルシフェラーゼの基質となるCoelenterazine Hを使用し、ポジティブコントロールである、ホモオリゴマー形成の有無を確かめた。受容体の中にはこのホモオリゴマー形成がBRETで検出できないものがあることが判明し、その場合免疫沈降法による評価のみ行う方針とした。このように、今年度の実績により個々の受容体について融合タンパク質を構築し、迅速なスクリーニングに必要な体制を構築できたため、今後培養細胞系でのアッセイを行っていく。 また、細胞レベルで見いだした受容体相互作用を、ノックアウトマウスを用いた個体レベルの解析に発展させた。すなわち、個々の受容体、あるいは相互作用する両方の受容体を欠失させたダブルノックアウトマウスを用いた解析を行った。α1B及び1Dアドレナリン受容体は平滑筋細胞のカルシウムオシレーションと末梢血管抵抗に必須であることが初めて示された。
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Research Products
(6 results)