2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNAシトシンメチル化パターン高速解析法-重亜硫酸法の飛躍的改良とその応用
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17590060
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
根岸 和雄 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教授 (70116490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早津 彦哉 就実大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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Keywords | 亜硫酸水素アンモニウム / 5-メチルシトシン / チミン / 重亜硫酸付加体 / エピジェネティック / 発がん / 尿素 / キトサン |
Research Abstract |
尿素の添加による重亜硫酸処理法の改良を試みた。重亜硫酸イオンの特徴は,1本鎖核酸に対する強い親和性であり,アルカリ変性して,1本鎖核酸としたサンプルを用いるが,わずかに残るアルカリ抵抗性の2本鎖部分が問題となる。強い変性作用を持つ尿素の共存により,わずかに残る2本鎖を尿素がほどくことを期待し,尿素を含む試薬の調製を検討し、高濃度の尿素と重亜硫酸塩を含む混合試薬の調製に成功した。まず、尿素存在化でのDNA全体の反応を解析した。その結果,全体としての反応速度に尿素が影響しないことが明らかになった。わずかに残る2本鎖領域の反応性については,共同で研究を行っている東洋紡により,回答が得られる予定である。 この亜硫酸による反応の際には,遅いながら5メチルシトシンも反応し,チミンとチミン重亜硫酸付加体を生じる。このうちチミン重亜硫酸付加体は、生成量はわずかでもPCR反応を阻害する恐れがある好ましくない生成物である。我々の重亜硫酸試薬で反応を検討したところ,標準的は反応条件下で,大部分の5メチルシトシンがチミンへと変化する条件下で、チミン亜硫酸付加体への変化はごくわずかであることが示された。そこで、この副反応がメチル化パターン解析の際に問題となる可能性は少ないと考えられる。脱アミノ反応の自動化を目指して、固相化の検討を行った。キトサン-DNA複合体の利用を試みた。しかしながら、十分安定な複合体は得られなかった。今後さらに条件を検討するとともに、他の複合体の利用も検討する必要がある。
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Research Products
(3 results)