2005 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性蛋白質レギュカルチン遺伝子の臓器特異的発現を調節する転写因子の解析
Project/Area Number |
17590063
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学研究科, 教授 (70046308)
|
Keywords | レギュカルチン / RGPR-p117 / 転写因子 / 遺伝子導入細胞 / 細胞核 / 細胞内シグナリング / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
レギュカルチン(regucalcin)は多機能性を有する細胞内情報伝達系の制御蛋白質である。本蛋白質は臓器特異的発現を示し,特に肝臓及び腎臓に高発現しており,他の臓器においても僅かに発現している。本研究は,レギュカルチン遺伝子の臓器特異的発現を調節する転写因子の解明を目的とした。 すでに,レギュカルチンが高発現する肝臓及び腎臓において,レギュカルチンプロモーター領域に関与する転写調節因子の可能性のあるNF1-A1とRGPR-p117(regucalcin promoter region-related protein;筆者らにより発見・命名された)が同定されている。本年度の研究では,RGPR-p117について,特に,生物種におけるそのcDNAの同定と構造を比較し,転写因子に特有なロイシンジッパー構造がヒト,マウス,ラット,ウシ,ウサギ,ニワトリに高く保存されていることを明らかにした。 腎近位尿細管細胞NRK52E細胞培養系において,RGPR-p117を発現増加したトランスフェリタントを作出し,その発現増加がレギュカルチンmRNAとその蛋白質レベルを増進させることを見出した。RGPR-p117は細胞質から細胞核に移行することが明らかとなり,この移行はホルモン(副甲状腺ホルモン;PTH)刺激により高められることが示された。RGPR-p117 mRNAの発現変動をRT-PCR法で調べると,PTH刺激した細胞で有意に増加することが見出された。RGPR-p117の発現増加がレギュカルチンmRNAレベルを上昇することは各種細胞内シグナル伝達系に関与するプロテインキナーゼ及びプロテインホスファターゼの活性阻害剤に存在下で培養したときにほぼ完全に抑制された。これらの知見から,RGPR-p117はレギュカルチン遺伝子発現を調節する転写因子であると考察された。
|
Research Products
(4 results)