2006 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性蛋白質レギュカルチン遺伝子の臓器特異的発現を調節する転写因子の解析
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17590063
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 大学院生活健康科学研究科, 教授 (70046308)
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Keywords | レギュカルチン / RGPR-P117 / NF-I-A1 / 転写因子 / 腎細胞 / 神経細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
レギュカルチン(regucalcin)は多機能性を有する細胞内情報伝達系の制御蛋白質である。本蛋白質は臓器特異的発現を示し、特に肝臓及び腎臓に高発現しており、心臓並びに大脳においても僅かであるが発現している。本研究は、レギュカルチン遺伝子の臓器発現を調節する転写因子を同定し、その機能を解析することにより、臓器特異的遺伝子発現の仕組みを解明することを目的としている。これまでの研究で、レギュカルチンプロモーター領域(-710〜+157)のTTGGC配列(-512付近)に結合する転写因子NF-A1とRGPR-P117(新規)を見出した。本年度においては、クローン化ラット近位尿細管NRKS2E細胞培養系において、これらの蛋白質のcDNAを遺伝子導入し、レギュカルチンmRNAの発現が増進されるのかを、TTGGC配列欠失ムュータントを用いて、レポータージーン(ルシフェラーゼ)アッセイ法で調べた。NF-A1あるいはRGPR-P117遺伝子導入細胞培養系において、レギュカルチンmRNAが有意に増加し、TTGGC配列を欠失したミュータントにおいてはその発現増加がみられず、レギュカルチン遺伝子発現を高める転写因子としてのNF-A1とRGPR-P117の役割が明らかになった。さらに、神経細胞に分化する未分化胚性腫瘍細胞株P19細胞の培養系において、神経細胞への分化にともなって、レギュカルチンプロモーター領域(-710〜+157)のどの部分に転写活性を高める領域が存在するのかを調べた。プロモーター領域(-81〜-69)に転写活性を増進する因子が作用し、-102〜-81の領域にその治性増加を制御(折制)する因子が存在することを見出した。分化した神経細胞においても、転写促進と折制に関与する因子が見出された。
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Research Products
(4 results)