2006 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンC再生遺伝子dharとビタミンCリサイクルによる細胞死防御効果の増強
Project/Area Number |
17590064
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三羽 信比古 県立広島大学, 生命環境学部 生命科学科, 教授 (00142141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIAO Li 県立広島大学, 生命環境学部 三羽研究室, ラボ主任研究員 (10405516)
河地 信哉 県立広島大学, 生命環境学部 三羽研究室, ラボ主任研究員 (70438290)
斉藤 靖和 県立広島大学, 生命環境学部 生命科学部, 助手 (90405514)
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Keywords | デヒドロアスコルビン酸 / グルタチオン / 低酸素-再酸素化 / 活性酸素 / dhar遺伝子 / 細胞死 / DNA切断 |
Research Abstract |
(1)デヒドロアスコルビン酸(DehAsc)レダクターゼ遺伝子dharを導入した細胞での低酸素-再酸素化処理による細胞死防御効果への評価系 人体での虚血-再灌流はその血流に支配される臓器に細胞死をもたらすが、本研究ではそのモデル系としてチャイニーズハムスター卵巣由来細胞CHOにて低酸素-再酸素化(H/R)を処理する系を確立し、細胞生存度をmit-deHase活性に基づくWST-1法で評価した。遺伝子非導入CHO細胞では30分/24時間H/Rで細胞生存度が著減し細胞変性が広範囲に引き起されたが、DehAscまたはグルタチオン誘導体GSH-iPrの単独投与では細胞死抑制に無効で、両者併用投与でも若干有効に止まった。 (2)dhar遺伝子導入細胞でのH/Rによる細胞死への防御効果 遺伝子非導入CHO細胞のH/Rと同条件下dhar遺伝子/pRcCMVベクター導入CHO細胞では、DehAsc/GSH-iPr無投与では細胞死抑制はほぼ無効で、低酸素前でのDehAsc/GSH-iPr単独投与で若干の細胞死抑制であり、両者併用投与で有効だった。併用投与でも低酸素の直前、1時間前や再酸素化後ではほぼ無効で、低酸素2-5時間前が適していた。 (3)dhar遺伝子導入CHO細胞におけるDNA切断抑制効果 dhar導入細胞でのH/RによるDNA 3'-OH切断末端出現はTUNEL法によると、低酸素3-4時問前でのDehAsc(30μM)とGSH-iPr (200μM)の併用投与で防御効果が最良だった。 (4)dhar遺伝子導入による細胞内の活性酸素の増減への影響 CHO細胞のH/Rにおける細胞内の活性酸素(ハイドロパーオキサイド・過酸化水素など)は、CDCFH-DA法で計測すると、再酸素化1-3分後で急増することがdhar導入の有無に殆ど関係なく同程度に見い出された。DehAsc/GSH-iPr投与による細胞内の活性酸素への影響は、dhar非導入CHO細胞では、単独/併用投与に関係なく、殆ど消去されず、dhar導入CHO細胞では、単独投与は僅かに消去され、併用投与でのみ活性酸素の有意な消去が認められた。
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Research Products
(4 results)