2005 Fiscal Year Annual Research Report
胚発生過程に特異的に発現する2つの新規胚型PHGPxの同定と機能解析
Project/Area Number |
17590067
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 助教授 (50255361)
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Keywords | ストレス / プロテオーム解析 / グルタチオンペルオキシダーゼ / 発生・分化 / 脂質 / トランスジェニックレスキュー |
Research Abstract |
胚発生過程で発現する新規18kDaPHGPxは非還元条件下では、複合体形成をしていることを見出した。2次元電気泳動をおこない、二次元目に還元、非還元条件下で電気泳動を行い、イムノブロット法により複合体の同定を試みたところ、分子量約80kDaのタンパク質から還元条件下で18kDaのタンパク質が遊離されることを見出した。5'RACE法により、7.5日胚では20kDaPHGPx以外にこれまで報告のないIbエクソンの途中からはじめるmRNAを検出した。このmRNAからは理論上第IIエクソンのATGより18kDaのPHGPxが産生する。GFP融合タンパク質を作製し、このATGが翻訳開始点として利用されるか検討したところ、翻訳させることを確認した。PHGPxKO胚のIn vitro受精卵培養系を構築したところ、3.5日Wild受精卵では7日めまでにICM形成が見られたのに対し、KO受精卵では、培養3日めから致死になり、培養7日めに消失した。この実験系に、様々な抗酸化剤を培地中に添加して、胚致死がレスキューされるのかを検討したところ、SOD活性をもつMnTBAPやビタミンCでは抑制できなかったが、GPx活性をもつエブセレン、ビタミンEの誘導体で胚致死がレスキューされることをみいださいた。このことから、受精卵のICM形成過程では脂質過酸化物が通常出来ており、活性をもつPHGPxはこの致死因子の消去に重要な役割を担っていることを明らかにした。また、3つの開始コドンにすべてに変異をいれたPHGPxゲノム遺伝子、変異をいれていないPHGPxゲノム遺伝子を導入したTGマウスの作製に成功し、ユビキタスにPHGPx mRNAが発現するそれぞれ三系統を樹立したのち、PHGPxヘテロマウスと交配し、ヘテロ化に成功した。
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