2006 Fiscal Year Annual Research Report
長期抑圧LTDに伴う海馬神経棘突起の構造変化とその分子メカニズム
Project/Area Number |
17590070
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 助教授 (90251438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 真二 帝京大学, 薬学部, 助手 (60398740)
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Keywords | Slingshot / LTD / cofilin / LTP / 海馬 / 棘突起 / Dendritic spine / 錐体細胞 |
Research Abstract |
本研究目的は、生後の哺乳類脳において、長期記憶や学習に重要な役割を果たすことが示されている海馬の神経細胞(Pyramidal neuron)が、電気活動によってどのような形態変化を起こすかを調べることである。代表者らは、これまでに海馬のPyramidal neuronの樹状突起上に存在するシナプス棘突起(Dendritic spine)の形態変化を調べてきた。その結果、LTD(長期抑圧)を起こさせる低頻度刺激を局所的に与えると、刺激した近傍の棘突起の体積が急速に縮小したり、消失することを見出した。 本年度は、形態変化を引き起こす細胞内情報伝達経路の解析を行った。その結果、細胞内骨格の制御因子として知られるcofilinが脱リン酸化されることが、形態変化に重要であることがわかった。これまでcofilinを脱リン酸化して活性化する酵素としてSlingshotが知られている。そこで、Slingshotによって脱リン酸化されるセリン残基を含むcofilinの部分ペプチドを、セリン残基がリン酸化された状態で化学合成した。次に、生後2週齢のラット脳から海馬のCA1領域のPyramidal neuron 1個を選び、蛍光色素を使って、ホールセルパッチ記録を行った。同時に、リン酸化ペプチドをインジェクションし、Slingshotの内在性cofilinに対する脱リン酸化活性を、競合阻害した。そして2光子励起蛍光顕微鏡を用いてイメージングを行い、棘突起の形態変化がペプチドのインジェクションによって影響されるか否かを調べた。その結果、棘突起の形態変化は、リン酸化cofilinペプチドのインジェクションによってほぼ完全に阻害されることがわかった。この結果は、低頻度刺激による棘突起の形態変化には、Slingshotによってcofilinが脱リン酸化され、活性化されることが重要であることを示している。
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Research Products
(5 results)