2005 Fiscal Year Annual Research Report
RECQ5ヘリカーゼによるゲノム安定性維持のメカニズム
Project/Area Number |
17590077
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
川崎 勝己 摂南大学, 薬学部, 助教授 (60177665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 健治 摂南大学, 薬学部, 助手 (30248067)
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Keywords | ヘリカーゼ / ゲノム安定性維持 / レトロトランスポゾン |
Research Abstract |
1.(1)RECQ5の働きを失わせたとき、MMS、シスプラチン、ヒドロキシ尿素などに個体は感受性を示したが、マイトマイシンC(MMC)やブレオマイシンには影響がみられなかった。これらの影響を示した薬剤から、直接的にDNA傷害を与える場合と複製停止によるDNA(クロマチン)構造の異常などの要因が考えられ、これらのDNA傷害や異常なDNA(クロマチン)構造がRECQ5/QEの働く経路の引き金となることがわかった。今後、どのようなDNA修復経路なのか?ということが課題である。これらのことは、ブルーム症候群、ウェルナー症候群、ロスムント-トムソン症候群にみられるRECQ機能喪失によるゲノム不安定性がガン多発傾向とつながる機構や今まで不明であった普遍的に存在するタイプのRECQ5/QEの機能の解明につながるばかりでなく、薬剤の方から見れば、制ガン剤として投与されるシスプラチンの作用機構や投与すべき条件の一層の理解にっながる。 (2)成虫への発生率が薬剤により減少するのはどういう機構かを知るために一つの遺伝子に変異(+/-)を持っている状態にしておき、薬剤を処理したときに対立遺伝子の変異が起こる頻度(-/-)を調べた。これは体細胞変異率を測定することになり、またガン化にみられるヘテロ接合性喪失(LOH, Loss of Heterozygosity)を反映するものでもある。ショウジョウバエmwh(multiple wing hair)遺伝子変異を使ってMMSの濃度との依存性と成虫発生率との関係を調べた。これからRECQ5の働きを失わせたときにゲノム不安定化が起きていることが明らかになった。 2.RECQ5の働きを異所的に発揮させたとき生じるRough eye表現型は、複眼原基を調べた結果から、細胞周期チェックポイントに応答したアポトーシスの誘導である可能性を示した。
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Research Products
(2 results)