2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖・分化因子とグリコサミノグリカンとの相互作用の発生・分化に伴う変動
Project/Area Number |
17590078
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 修平 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (70240017)
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Keywords | グリコサミノグリカン / ヘパラン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / 細胞増殖因子 / モデル生物 / アフリカツメガエル / ヒドラ / BIAcore |
Research Abstract |
発生や分化などに伴って変化する硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)の構造が、その機能、特に細胞増殖・分化因子との相互作用能の変化と相関するのかを明らかにすることを目的として、研究を行なった。また、微量でのGAGの構造解析を可能にするため、高感度構造解析法の開発と、それを利用したオリゴ糖の糖鎖配列決定を行った。 1.異なる発生段階のアフリカツメガエル胚よりGAGを調製し、様々な細胞増殖・分化因子との相互作用をBIAcoreを用いて速度論的に詳細に調べた。また、発生段階の異なる胚の産生する硫酸化GAGの鎖長や硫酸化ドメイン構造などについても解析した。発生に伴って、細胞増殖・分化因子との相互作用能や多糖鎖の構造が変化することが明らかになった。 2.発生や神経再生の研究に非常によく用いられているモデル動物であるヒドラについて、GAGを精製し、その構造を解析した。また、抗GAG抗体を用いて免疫組織染色を行い、ヒドラの刺胞が抗コンドロイチン抗体473A12で特異的に染色されることを明らかにした。線虫においては、コンドロイチンが細胞質分裂に必須であることが証明されているので、ヒドラにおいてもコンドロイチンが重要な役割を果たしていることが予想される。 3. GAGの機能と構造の相関を解明するには、微量で構造解析を行うことが不可欠である。そこで、0.1nmol以下でオリゴ糖を構造決定する手法を開発し、イカ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eとサメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Cより八糖や十糖を単離し、これらの構造解析に応用した。その結果、30種類以上の新規構造のオリゴ糖を同定することができ、これらを用いて市販の抗体のエピトープの解析を行なった。 この成果は、2報の論文として報告した。
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