2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590083
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 健 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (60222311)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 雅文 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
|
Keywords | mRNA / 翻訳調節 / リボ蛋白質複合体 / アフリカツメガエル / P-ボディ |
Research Abstract |
動物細胞では核で合成されたmRNAは細胞質に運ばれて翻訳に使われるが、すべてのmRNAが直ちに翻訳に使われるわけではない。細胞質において翻訳されているmRNAと翻訳されていないmRNAとは平衡状態にあると考えられるようになってきた。細胞内でmRNAは特定の蛋白質との複合体mRNPとなっており、mRNPを構成している蛋白質群がmRNAの翻訳や安定性の調節に深く関わっていることが考えられる。本研究では多くの動物種でmRNPの主要なコンポーネントであるY-ボックス蛋白質をプローブに、mRNP形成とそのmRNAの代謝(翻訳効率や安定性)への影響を調べた。我々がアフリカツメガエル卵母細胞mRNPのコンポーネントとして同定したRAP55は無細胞翻訳系や卵母細胞でレポーターmRNAの翻訳を抑制した。ヒトRAP55の局在を調べると、間期の細胞で細胞質に点状に局在することがわかった。これらの点は脱キャップ酵素との共局在を示したことなどから最近明らかにされてきたP-ボディであると考えられる。RAP55がP-ボディに局在するために必要な蛋白質ドメインの解析を行ったところ、N末のLsmドメイン、C末のRGG-richドメインが重要であることが明らかとなった。さらに、RAP55は熱ショックなどの細胞ストレスによって生じるストレス顆粒に移行することもわかった。P-ボディやストレス存在下のストレス顆粒は、細胞質でのmRNAの分解の場あるいは翻訳されていないmRNAの存在する場と考えられており、RAP55の局在はこの蛋白質が翻訳抑制因子であるという知見と一致する。
|