2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患関連凝集体生成機構と活性窒素酸化物誘発ニトロ化ストレスの基礎的研究
Project/Area Number |
17590089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80281674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50114674)
鈴木 孝禎 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90372838)
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Keywords | 酸化ストレス / 脳神経疾患 / 有機化学 / タンパク質 / 酵素反応 / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト |
Research Abstract |
パーキンソン病に特徴的な組織学的病変であるLewy小体中のαシヌクレインの修飾体・凝集体生成に焦点を絞り、これを活性窒素酸化物(ニトロ化ストレス)に着目して解明することを目指して研究を進めた。特にLewy小体中の共存蛋白質シトクロムcへのニトロ化ストレス負荷とαシヌクレイン凝集反応活性・ニトロ化反応活性の関連について機構解析・定量的評価を行うことを目的として、検討を行った結果、本年度は以下に示す結果を得た。 ニトロ化ストレスの解明に重要であり開発を目指す化合物のうち、本年度は活性窒素酸化物発生剤(ニトロ化ストレスドナー)に注力して開発研究を行った。既に独自に開発したニトロベンゼンタイプの光誘起型NO発生剤を基に、ニトロ基と共役する位置にヒドロキシ基を有する化合物を設計・合成し、光照射による反応について解析した。L-チロシン共存下に、化合物に330〜380nmの光を照射し、反応液を逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。反応生成物を分析した結果、光照射により、わずかに3-ニトロチロシンの生成が認められたが、その他にL-チロシンから生成したと考えられる高極性生成物が観察された。このような生成物として、チロシン水酸体であるL-DOPAが考えられるため、現在解析を進めている。反応生成物の解析に注力したため、細胞内分布を考慮したニトロ化選択的阻害剤については分子設計を行うにとどまった。 αシヌクレイン凝集反応の解析については、予備的検討で得られたニトロ化シトクロムc、微量過酸化水素、αシヌクレイン三者共存の反応系による凝集体生成について、時間依存性、用量依存性についてデータを収集し、変異型αシヌクレインとニトロ化シトクロムcの組み合わせでは極めて早く凝集体生成がおこることが判明した。
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Research Products
(1 results)