2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患関連凝集体生成機構と活性窒素酸化物誘発ニトロ化ストレスの基礎的研究
Project/Area Number |
17590089
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (80281674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 直樹 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (50114674)
鈴木 孝禎 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (90372838)
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Keywords | 酸化ストレス / 脳神経疾患 / 有機化学 / タンパク質 / 酵素反応 / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト |
Research Abstract |
パーキンソン病に特徴的な組織学的病変であるLewy小体中のαシヌクレインの修飾体・凝集体生成に焦点を絞り、これを活性窒素酸化物(ニトロ化ストレス)に着目して解明することを目指して研究を進めた。Lewy小体中の共存蛋白質シトクロムcへのニトロ化ストレス負荷とαシヌクレイン凝集反応活性・ニトロ化反応活性との関連について機構解析・定量的評価を行うことを目的として、特にニトロ化ストレス負荷状態に着目し、これを解析するため研究を行った結果、本年度は以下に示す結果を得た。 ニトロ化ストレスの解明に重要であり開発を目指す化合物のうち、本年度は細胞内分布を考慮した一酸化窒素発生剤(NOドナー)に注力して開発研究を行った。既に独自に開発したニトロベンゼンタイプの光誘起型NO発生剤を基に、NO発生能に影響を与えない置換位置にミトコンドリア局在性を付与するための置換基を導入した化合物を設計合成した。具体的には置換基として、脂溶性カチオン構造であるトリフェニルポスホニウム構造を導入した化合物を合成した。この部分構造を有する化合物は、ミトコンドリアに集積しやすいことが知られている。ミトコンドリアは種々の神経変性疾患で重要な役割を果たしていると考えられている。 一方、ニトロ化ストレスの負荷状況を細胞系で定評的に評価するため、酸化・ニトロ化ストレス計測用のプローブ分子を設計合成した。本年度は脂質膜上のストレス負荷状態を計測するプローブFAT1を合成した。その性能を検証するため炎症性マクロファージモデル細胞で検証したところ、定量的測定が可能であることが判明した(BMCL,17,1451-1454(2007))。また、ミトコンドリアでのストレス負荷状態が重要と考えられたため、ミトコンドリア用プローブの分子設計を行った。
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Research Products
(1 results)