2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患関連凝集体生成機構と活性窒素酸化物誘発ニトロ化ストレスの基礎的研究
Project/Area Number |
17590089
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80281674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50114674)
鈴木 孝禎 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (90372838)
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Keywords | 酸化ストレス / 有機化学 / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / 酵素反応 |
Research Abstract |
パーキンソン病に特徴的な組織学的病変であるLewy小体中のαシヌクレインの修飾体・凝集体生成に焦点を絞り、これを活性窒素酸化物(ニトロ化ストレス)に着目して解明することを目指して研究を進めた。Lewy小体中の共存蛋白質シトクロムcへのニトロ化ストレス負荷とαシヌクレイン凝集反応活性・ニトロ化反応活性との関連性から、ニトロ化ストレスの機構解析・定量的評価を行うためニトロ化選択的阻害剤・ニトロ化ストレス付加剤の開発を目的とした。特にニトロ化ストレス負荷状態に着目し、これを解析するため研究を行った結果、本年度は以下に示す結果を得た。 ニトロ化選択的阻害剤として、5-methoxytryptamine構造を有する脂質膜分布型阻害剤を設計合成した。細胞内局在性について検討したところ、予想に反し、脂質膜以外に細胞内膜系および細胞核にも分布することが示された。これは5-methoxytryptamine部分の水溶性が予想より大きく細胞内での再拡散が早いことが原因と考えられた。また多様な活性を有する酸化ストレス阻害剤の合成を行った。 酸化・ニトロ化ストレス定量的測定プローブの開発については、ニトロ化選択的阻害剤兼酸化・ニトロ化ストレス計測用のプローブ分子として、細胞内局在性を付与した化合物の開発を進め、ミトコンドリアのストレス負荷状態を計測するプローブF-TriPPTを合成した。その性能を検証するため炎症性マクロファージモデル細胞で検証したところ、定量的測定が可能であることが判明した。脂質膜とミトコンドリアの酸化ストレスを比較したところ、用いたモデル系では脂質膜の酸化ストレス負荷が大きいことがわかった。また、核測定用のプローブ分子設計を行った。 活性窒素酸化物発生剤(ニトロ化ストレスドナー)の開発については、異なる局在性を有するNOドナーおよびNOとスーパーオキシドの同時生成能を有する化合物の分子設計を行った。
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Research Products
(3 results)