2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患関連凝集体生成機構と活性窒素酸化物誘発ニトロ化ストレスの基礎的研究
Project/Area Number |
17590089
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80281674)
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Keywords | 酸化ストレス / 有機化学 / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / 酵素反応 |
Research Abstract |
これまでに得られた知見をもとに、ニトロ化選択的阻害活性を有すると考えられる2,2,6,6-tetramethylpiperidin-1-oxyl(TEMPO)の誘導体を合成し、細胞内分布を確認した。具体的には、既に開発した脂質膜分布型TEMPO、およびミトコンドリア分布型TEMPOの構造と細胞内分布の知見をもとに、 DNA結合能をもつ部分構造であるピロールポリアミドを導入した細胞核分布型TEMPOを開発した。このTEMPO誘導体の細胞内局在は、細胞の培養密度に依存しており、化合物の低親水性と高い結晶性が影響していると考えられた。 また、ニトロ化ストレス負荷化合物について、開発を行い、二光子励起現象を利用することにより700nm以上の長波長の光照射でNOを放出する化合物を開発した。ジメチルニトロベンゼン構造に基づいた一連のNO放出化合物は、通常(一光子)励起では450nm付近を境にNO放出能が大きく減じることが判明し、 NO放出に必要な照射光波長域に関する情報が得られた。ニトロ化ストレス負荷化合物のうち、 NOとスーパーオキシドを発生する化合物については、基本構造を有する化合物を合成し、光照射による放出反応を検討した。分子内に存在するヒドロキシ基とその両オルト位に存在する置換基の電子的・立体的性質により、化合物の光応答性自身が大きく変化することが判明し、更にオルト位に配置する官能基を検討して、最適な光応答性を有する化合物を開発する必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)