2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の生産するリアノジン・レセプター拮抗物質の探索
Project/Area Number |
17590091
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
塩見 和朗 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (40235502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 洋子 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (80197186)
増間 碌郎 北里大学, 北里生命科学研究所, 専任講師 (90219353)
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Keywords | リアノジン / レセプター / 抗生物質 / 生物活性物質 / 殺虫剤 / スクリーニング |
Research Abstract |
リアノジン・レセプターは細胞質Ca_2^+濃度上昇により細胞内ストアから細胞質にCa_2^+を動員するイオンチャンネルであり、そのアゴニストであるリアノジンと拮抗する物質は殺虫剤として期待できるものである。 放線菌および真菌を中心とする微生物の約3,000種類の培養液から昆虫のリアノジン・レセプターに選択的にリアノジン拮抗活性を示すものをスクリーニングしたが、現在までのところまだ有望なものは見出されていない。そこで以前のスクリーニングで見出された糸状菌Verticillfum sp.の生産するデプシペプチド系新規物質FKI-1033に関する研究を進めた。FKI-1033物質の生産は当初固体培養で行っていたので、まず大量培養に適した液体培養で生産する条件を検討した。培地組成などの検討を行った結果、液体培養で約15mg/Lの生産量を得ることができるようになったので、この条件で大量培養を行い構造研究や生物活性研究に必要な試料を得た。これまでFKI-1033物質はその平面構造しか明らかにしていなかったが、分解反応などを行うことにより、その絶対立体配置を決定することができた。またFKI-1033物質はゴキブリのリアノジン・レセプターに対するIC_<50>値が4.2μMとマウスのレセプター(IC_<50>=53.9μM)に対するIC_<50>値より10倍以上低濃度であったが、実際昆虫に対しても殺虫活性を示すことを見出した。さらに合成的に種々のFKI-1033物質誘導体を作製してそのリアノジン拮抗活性を測定した。その結果まだ実験途中ではあるが、ある程度の構造活性相関を解明することができた。
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Research Products
(6 results)