2006 Fiscal Year Annual Research Report
炭素鎖の分岐した4-チオフラノースを構成糖とするヌクレオシドの合成とその生物活性
Project/Area Number |
17590093
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
原口 一広 昭和大学, 薬学部, 助教授 (10218638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博通 昭和大学, 薬学部, 教授 (50109477)
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Keywords | ヌクレオシド / グリカール / グリコシル化 / チミジン / プンメラー反応 / スルホキシド / 抗ウイルス活性 |
Research Abstract |
3,5-O-(ジ-t-ブチルシリレン)-4-チオフラノイドグリカール(1)をm-CPBAで酸化することにより、対応するS-オキシド(2)を得た。化合物2をAc_2O/TMSOAc/BF_3OEt_2と室温下反応させたところ、"additivePummerer"反応が進行し、1,2-ジ-O-アセチル-3,5-O-(ジ-t-ブチルシリレン)-4-チオリポフラノース(3)を選択的に得ることができた。チオ糖供与体3をシリル化したウラシルとTMSOTfの存在下、反応させたところ4'-チオウリジン誘導体(4)のβ-アノマーを高い選択性で得ることができた。この結果は、チオグリコシル化反応においてアセチル基の隣接基関与が有効に働いた最初の例となった。このグリコシル化反応の適用範囲を調べる目的で、シリル化したチミンおよびシトシンとのグリコシル化を行ったところ、4'-チオチミジン(5)および4'-チオシチジン誘導体(6)のβ-アノマーを選択的に得ることができた。また、6-クロロプリンおよび2-アミノ-6-クロロプリンとのグリコシル化では、目的とするグリコシル化成績体の位置異性体であるM^1-置換体の副生が認められ、目的物の単離収率の低下が認められたが、高い立体選択性で対応するβ-アノマー(7)を得ることができた。この合成法は、C-グリコシル化反応にも適用可能であり、チオフェン-(8)およびフラン-C-グリコシド(9)を合成した。化合物3とシアノトリメチルシラン(TMSCN)との反応では、分子内環化が進行したため、3から誘導した2'-O-TBDMS体(10)とTMSCNとの反応を行い、1-C-α-シアノ体(11)を合成した。化合物11をシステインエチルエステルと反応させることにより、チアゾリジンエステルとした後、プロモトリクロロメタンによるエステルのα位での臭素化とDBNによる脱離反応によ.り、4'-チオチアゾブリン(12)の合成を達成した。
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