2005 Fiscal Year Annual Research Report
ChemicalPharmaceuticsを指向した創薬化学研究
Project/Area Number |
17590099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
林 良雄 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (10322562)
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Keywords | 化学薬剤学 / 薬学 / プロドラッグ / 有機合成化学 / 癌 / タキソイド / 水溶性 / 化学的メカニズム |
Research Abstract |
本基盤研究は、有機化学をフルに利用し創薬における薬剤学的価値の創造を追求する新しい学問領域Chemical Pharmaceuticsの一分野として、化学的メカニズムに基づく水溶性プロドラッグの開発をめざすものである。特に、アミノ酸・ペプチド化学を基盤とする化学反応を利用することで、最近の創薬で問題となる薬物の難水溶性を、化学的メカニズムに基づく水溶性プロドラッグとして解決できる汎用性のある新規手法開発をめざすものである。今期においては、難水溶性薬剤として、分子内にヒドロキシ基を有するタキソイド系抗腫瘍剤を標的とし、"O-N分子内アシル転位型"水溶性プロドラッグを難水溶性薬物であるタキソイド類に積極的に応用するために、既に報告しているpaclitaxelの水溶性プロドラッグであるisotaxel塩酸塩の合成を他のタキソイド類に対しても適用した。その結果、paclitaxelと同様にアシル基を有するタキソイド類においては、paclitaxelと同様に、"O-N分子内アシル転位型"水溶性プロドラッグを合成することに成功した。また、カルバメート型のタキソイド類においては、その"O-N分子内転位型"水溶性プロドラッグは炭酸エステルになり、Boc基を有するタキソテーレにおいてはそのプロドラッグ体からの変換反応中に加水分解が生じてしまったが、他のカルバメート型タキソイドのプロドラッグでは、選択的に親化合物に変換されることを確認した。現在さらに、酵素に認識されるアミノ酸などの導入も現在検討中である。この様なアミノ酸の新規合成法も開発した。一方、新しい作動メカニズムの開発として、自己分解型のスペーサーを有するオリゴアルギニン型ペプチドの利用の検討を開始した。今後これらの結果を順次報告していきたい。
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Research Products
(4 results)