2006 Fiscal Year Annual Research Report
多環芳香族炭化水素の抗男性ホルモン作用におけるアリル炭化水素受容体の作用機構
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17590101
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
木津 良一 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (80143915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40115267)
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Keywords | 多環芳香族炭化水素 / アリル炭化水素受容体 / 男性ホルモン受容体 / シグナルクロストーク / CYP1A1 / リアルタイムPCR / レポーターアッセイ / siRNA |
Research Abstract |
【目的】アリル炭化水素受容体(AhR)と男性ホルモン受容体(AR)のシグナル伝達経路は双方向で影響し合うことが明らかになりつつある。演者らは、AhRで転写活性化されるチトクロームP450(CYP)1ファミリー遺伝子の転写レベルに及ぼす男性ホルモンの影響を明らかにする目的で、男性ホルモンがbasal及びAhRリガンド処理時のCYP1A1の転写レベルを評価した。 【方法】ARを発現するRWPE-1、22Rv1又はMCF-7細胞を男性ホルモン(5α-dihydrotestosterone ; DHT)非存在下及び存在下、AhRアゴニスト(3-methylcholanthrene ; 3MC)で処理し、CYP1A1、1A2、1B1のmRNAレベルをreal-time PCR法で評価した。また、シス-エレメントとしてAhR応答配列のみを持つルシフェラーゼ発現プラスミドpGL3-XRE×3をトランスフェクションしたMCF-7細胞をDHT及び3MCで処理し、ルシフェラーゼ活性を測定した。 【結果及び考察】検討したCYP1ファミリー遺伝子の中で、CYP1A1のmRNAレベルがDHTにより上昇した。このDHTの効果は濃度依存的であり、何れの細胞においてもbasal及び3MC処理時のmRNAのレベルに対して観察された。同様の効果はARアゴニストの一つであるR1881でも見られた。また、siRNAでARをknock-downした系ではDHTの効果は見られなかった。一方、レポーターアッセイ系ではDHTの作用は見られなかった。以上の結果から、活性化されたARは直接又は間接的にCYP1A1遺伝子の転写調節領域に作用してCYP1A1遺伝子の転写を亢進することが考えられた。
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