2006 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌かく乱物質のカテコールアミン神経系への影響とその受容体の検索
Project/Area Number |
17590111
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
高橋 浩二郎 産業医科大学, 大学病院, 部長 (70389477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 延章 産業医科大学, 医学部, 教授 (80140896)
上野 晋 産業医科大学, 医学部, 講師 (00279324)
豊平 由美子 産業医科大学, 医学部, 助手 (90269051)
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Keywords | エストロゲン / カテコールアミン生合成 / 細胞膜エストロゲン受容体 / ダイゼイン / チロシン水酸化酵素 / 副腎髄質 / 内分泌かく乱化学物質 / レスベラトロール |
Research Abstract |
平成17年度の研究において、内分泌かく乱物質のCA生合成促進作用が、従来知られている核内エストロゲン受容体ではなく細胞膜エストロゲン受容体を介していることが示唆されたので、副腎髄質細胞から細胞膜を分離し、細胞膜エストロゲン受容体の薬理学的解析を行なった。その結果、細胞膜には少なくとも2種類のエストロゲン受容体(高親和性と低親和性)が存在することが明らかとなった。この高親和性エストロゲン受容体への[^3H]-エストロゲン(E_2)結合に対して17β-E2【greater than or equal】phytoestrogens(ダイゼイン、ゲニステイン等)>17α-E_2≒副腎皮質又は男性ホルモンのステロイド化合物の順番で阻害したが核内エストロゲン受容体阻害剤では阻害されなかった。また、内分泌かく乱化学物質のp-nonylphenolは[^3H]-エストロゲン(E2)結合を促進させた。この事は、p-nonylphenolは細胞膜のエストロゲン受容体に対して、アロステリック的に作用して[^3H]-エストロゲン(E2)の結合に影響していると思われた。一方、17β-E2はCA生合成を促進し、それと同時に細胞内MAPK及び千ロシン水酸化酵素活を活性化した。 以上のことから、17β-E2は細胞膜エストロゲン受容体を介して、細胞内MAPK及び千ロシン水酸化酵素活を活性化し、最終的にCA生合成を促進することが示唆された。現在、植物性エストロゲンであるダイゼイン(大豆成分)及びレスベラトロール(赤ワイン成分)が細胞膜エストロゲン受容体に作用するが、CA生合成に対して前者は促進し、後者は抑制する事が判明し、その機序についてさらに詳しい検討を行なっている。
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Research Products
(7 results)